やまねこの物語

日記 チコのある一日

今日は朝からおじさん(大家さん)が帰ってこない。チコは一人玄関の前でおじさんの帰りを待っている。ただただ、ドアが開くのを待っている。ドアノブを見つめながら、チコはもう何時間もおじさんを待っている。

チコ

 

 

やまねこ

 

おじさんがなかなか帰って来ないので、チコはおじさんに対して疑いの気持ちを持ち始めている。おじさんはもう帰って来ないのでは。チコは捨てられたのか!と、ちょっと後ずさり。

チコ

 

 

やまねこ

 

やっぱりおじさんが恋しい。おじさん、早く帰ってきて!おじさんを疑ったことを神にわびて、遠吠え。近所迷惑。

チコ

 

 

やまねこ

 

何度叫んでも、おじさんは帰ってこない。チコ、失意のどん底。希望の欠片もない。

チコ

 

 

やまねこ

 

チコ、お腹がすいてきた。振り向いた瞬間、おじさんの靴を発見。う〜ん、ナチュラルな、いい香りだ。

チコ

 

 

やまねこ

 

退屈してきたチコ。いきなり僕(やまねこ)の部屋をノックして入ってきた。こんにちは〜。

チコ

 

 

やまねこ

 

いきなりドアを開けて入ってきたので、僕は足でドアを閉めた。チコの首がドアに挟まっているところ。

チコ

 

 

やまねこ

 

チコがドアに挟まれたというのは冗談です。で、このあと、しばらくして、おじさんが帰ってきた。チコ、めでたし、めでたし。チコの長い一日はこうして無事終わった。今日もいい一日であった。おやすみ、チコ。と、おじさん。

 


(2000年6月14日)

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