やまねこの物語

日記 ケーキを焼こう

ふ〜、と一息。ようやく忙しかった今学期が終わった。今学期はゼミの発表や提出物、幾つかのテストなどが日程的に重なり合っていたので、非常に忙しかった。といってもまだゼミ論文も提出しなければならないので完全に終わったわけではないが、とにかく少し落ち着いたといった感じだろうか。勉強している時、個人的な作業といえば、その時間の多くが本を読むことに当てられる。図書館か家で本を読んでいるが、家で本を読む場合は気分転換に時々、ケーキなどを焼く。ケーキといってもホットケーキのようなフライパンを使って焼くもので、10分もあれば焼き上がる。同時にコーヒーメーカーでコーヒーも入れるが、コーヒーが出来上がる頃にはホットケーキのようなものも焼き上がっているので非常にお手軽である。ただこれは材料も分量も適当なので、味や見た目は毎回変わる。

僕はドイツに来て初めて一人でケーキを焼いた。以前住んでいた家にはオーブンがあったので(注:今の家にもオーブンはある)、自分で焼こうと思いパウンド型のものを何度も焼いた。また天板も購入し、色々な種類のケーキを焼くのが楽しくなった。特に焼き上がってくる時のあの香りは何とも言えないものがある。というわけで友人や知人宅を訪れる時は、毎回ではないがケーキを焼いていくことがある。ケーキを焼くのが好きだ、と色々な人に言っていると、みんな色々なレシピを教えてくれる。特にティラミスは非常に簡単と言うことで、色々な作り方、種類を教えてもらった。しかし自分でその通りにやってみても、一度も上手くいかなかった。やはりコツがあるのだろう。

ところでドイツ料理のお店に行くと、メニューのデザート欄にカイザーシュマルンというのが載っていることがよくある。ドイツ料理だけでなくカフェなどでも見かけるこの料理は、独和辞典を見るとカイザー(皇帝の意)が好んだことからこの名前が付いたとのこと。もともとは1854年のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフとエリーザベトのご成婚の際、オーストリア宮廷がエリーザベトの名前で新しいデザートを名付ける許可を皇帝に求めたが、彼女は太る料理の名付け親になるのを拒否し、代わって皇帝が名付けたことからその名前が付いたらしい。

このカイザーシュマルンという料理はホットケーキのようなものであるが、お店によってその味付けが違い、それぞれのお店の味比べをするのも一つの楽しみである。しかしどのカイザーシュマルンを見ても、大抵の場合、その見た目はまるで失敗したホットケーキのようである。それにもかかわらずお店で注文すると「20分くらいかかりますが、宜しいでしょうか」と聞かれる。「失敗」した料理に何故それほどの時間が必要なのか分からなかったが、レシピを調べてようやく分かった。ひと言で言えば見た目以上に手間がかかっているのである。

というわけで、以下にカイザーシュマルンのレシピを載せます。興味がある人は試してください。先にも書きましたが色々なお店のカイザーシュマルンを見ても、失敗したホットケーキというイメージがあるので、そういったことを意識して作るとドイツの味を楽しめるかも知れません。

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カイザーシュマルン (3−4人分)

下記材料、左の番号は手順の番号です。

1.牛乳 200ml
1.小麦粉 120g
1.塩ひとつかみ
2.サワークリーム スプーン一杯
3.卵白 4個分
3.砂糖 30g
6.砂糖 50g
3.卵黄 4個分
3.卵 2個
4.溶かしバター 50g
5.干しぶどう 15g
6.バター 50g

作業の前にオーブンを220度に温めておく
1.牛乳、小麦粉、塩を泡立て器で混ぜる
2.それにサワークリームをかき混ぜながら混ぜる
3.卵白と30gの砂糖を、ハンドミキサーで混ぜる  そしてそれらと卵黄と卵を生地に、慎重に混ぜる
4.バターをフライパンに入れ、温め、少しだけ泡立たせる。
5.生地を流し込み、干しぶどうを振りかける。アルミホイルなどで蓋をし、オーブンの中で30分焼く。
6.焼き上がった物を小さく切り、その上に50gの砂糖とバターをまく。
7.よく混ぜる 以上で出来上がり。
最後にデジカメで撮影し、Guten Appetit!
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(2004年02月14日)

 

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