やまねこの物語

日記 レストラン

先日、友人と近くにある中華料理店へ食事に行った。そこはいつ行ってもすごい人だ。このお店はバイキング形式になっていておかわりが何度もできる。しかもものすごく安い。味も日本人の口に合う。それで僕はよく行くのだが、いつも人がいっぱいなので、2回に一度は満席で入ることが出来なかった。これは食事が終わってもまだ席に着いている人がいるからだ。日本だとレストランでの食事の場合、普通は食事を済ますとすぐに出ていくことが多い。(ファミリーレストランなどでは遅くまでしゃべっている人もいるようだけど。)それに料理が遅いと文句を言う人もいる。やはり日本人は時間に追われているせいだろうか。

ドイツでは、食事の時、「遅すぎるぞ!」と文句を言うことはない(と思う)。というのは、ドイツにはこんなことが言葉がある。「レストランにいる時間の4分の1が注文するまでの時間、4分の1が料理を待つ時間、4分の1が食事の時間、残りの4分の1が支払いを待つ時間」。つまりレストランへ行くのは、必ずしも食事がメインというわけではないようだ。当然、食事は優先されるけど、レストランは親しい人と喋るための場とされているようだ。(というふうに書くと日本だとそうではないみたいな感じだけど、日本でもそのことは当てはまる。)

日本とドイツではレストランにいろいろ違いがある。というのは、日本のレストランだと、最初にお店の人がメニュー(献立表)と一緒にお水やおしぼりを出してくれたりする。それからメニューを見て、食事や飲み物を一度に注文する。でもドイツの場合は、最初にメニューだけがやってきて、まず飲み物だけを注文する。当然水はでてこない。そして、飲み物が運ばれてくるまでに何を注文するかを考えて、飲み物が運ばれてきたときに食事の方を注文する。でも最初に飲み物を注文する際、普通はコーヒーや紅茶を注文することはない。日本だと、食事と一緒にコーヒーを注文したりして、その時「食前にしますか?食後にしますか?」と聞かれる。ということは食前にコーヒーを飲むのもありえるということだ。

はじめて僕がドイツに来たとき、これをやってしまった。メインの食事と一緒にコーヒーを注文してしまったのだ!別に悪いことではないが、お店の人にすごく不思議な顔をされた。つまりドイツでは、最初にジュースやビール、水など、料理と一緒に口にすることが出来る(冷たい?)飲み物を注文する。それから食事が済んだ後、もう一度お店の人を呼んで、メニューを見せてもらい、大抵デザートと一緒にコーヒーや紅茶など暖かい飲み物を注文する。それで、ふ〜と一息入れるのである。ふ〜。

それ以外にドイツのレストランではウエイトレスやウエイターなどに対する習慣みたいなものがある。というのは、ドイツでは最初に注文したお店の人(ウエイトレスやウエイターなど)に全てを任す。最初の注文、コーヒーなどの注文の追加、支払い。日本だと、追加の注文は誰にしてもいいが、普通ドイツでは同じ人にする。それから支払いもその人にする。日本の場合、支払いは、(普通お店の出入り口にある)レジのところまで行ってお金を払う。でもドイツの場合は、お金はテーブルで支払う。最初に注文をした人をテーブルに呼んで支払うのである。当然チップも必要。例えば食事代が、合計で23マルクだった場合、30マルク札(10マルク札と20マルク札)を出して、「25マルク、お願いします」と言う。そうすると5マルクおつりが来る。2マルクはチップとしてそのお店の人に支払う。

日本の場合、食事の直後、レジで支払いを済ませて、すぐにお店を出ていくことも可能であるが、ドイツの場合は、支払いのためにお店の人をつかまえないといけないので、すぐにお店を出ることは難しい。すぐにお店の人をつかまえることが出来ないような雰囲気の場合は、料理が出されたとき同時に支払うという方法もある。でもでもドイツの普通のレストランだと、ドイツ人はこの「支払いをするまでの間」も楽しんでいるようである。そうかといって、支払いを済ませたあと、すぐに席を立つこともないようだ。それからもしばらく話しをしている。つまり“食べること”だけにレストランへ行くのではないのだ。

日本とドイツ、例えば注文の仕方一つとってみても、色々な違いがある。でもこれは方法の違いであってどちらがいいとは言い切れない。レストランの効率的には日本の方がいいかもしれないし。でも“郷に入りては郷に従え”という言葉があるように、ドイツのレストランではゆったりとした食事の時間を楽しむのもいいかもしれない。

ドイツ料理

左にあるのがクネーデル
中央が骨付き豚肉
右にあるのがザウアークラウト

 (2000年2月21日 ・ 4月3日 写真追加)

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