日記 ピクニック |
先日、友人にピクニックに誘われた。ミュンヘン市内を流れるイザール川の河原で各自が料理などを持ち寄って時間を過ごすとのこと。当日、僕は誘ってくれた友人と待ち合わせ、集合場所である友人夫妻の住むマンションへと向かった。夫妻宅に着いてベルを鳴らすと、ドアが開き彼らが僕たちを迎えてくれたが、その際僕は「誕生日おめでとう!」といきなり声をかけられた。 少しの間、僕には何のことかさっぱり分からなかった。偶然その日は僕の誕生日であったのだが、そのように祝福されるとは夢にも思っていなかったので非常に驚いた。だから僕は「おめでとう!」と言われた時、思わず「何故?」と聞いてしまった。自分は自分の誕生日を当然覚えているが、特に意識していなかったので、尚更驚いた。後で聞けば誘ってくれた友人が他の人達に教えてくれていたらしい。その後マンションの下で待っていた人達にも「おめでとう!」と言われて非常に嬉しかった。友人に感謝! みんなが集まったあと、そこから歩いてイザール川にかかるヴィッテルスバッハ橋の近くに行き、そこに腰を下ろした。このところミュンヘンは気温が30度近くになる日が続いていたが、ゲヴィッターと呼ばれる夕立が来ることもなく、腰を下ろした場所はそれほど水分を含んでいなかった。この場所は春、雪解け水が流れてくる際には、時々水没する場所であるが、夏の間は、僕たちが訪れた時のように、穏やかな川の流れを間近に見られる場所となっている。 みんなが持ち寄ったサラダやパンをシートの上に並べて、ワインやビールで乾杯をした。そのようにして外でみんなで食事をするのは非常に楽しい。ところで河原に目を向けると色々な人がいるのに気が付く。僕たちと同じようにピクニックをしている人、犬を連れて散歩している人、イタリアの映画などで良く目にする自転車に乗ったアイス屋、ヘルメットをかぶって自転車に乗る子供達の群れ、釣り竿を持っている人、全く同じ装いをした男性二人組。ここが多くの市民の憩いの場所になっているのが分かる。また身近なところに目をやれば、ドイツとしては珍しく蚊が多いことに気が付く。直ぐ真横を川が流れているので多いのだろう。 どれくらいの間ここにいただろうか。回りを見ればいつしか人も少なくなっていた。空を見上げれば雲行きが怪しくなってきているだけでなく、風の匂いもかわってきている。夕立が来るかも知れない。しかし、僕たちはそのままそこでピクニックを楽しんでいた。日が沈んできたのでランタンに明かりを灯す。完全に日が沈んで暫くしてからポツリ、ポツリと大粒の雨が降ってきた。雷は鳴らなかったものの、その後夕立のような雨が降り出した。急いで友人宅に逃げ込んだが、雨が降ったせいか風も冷たくなり、少し肌寒く感じられるようになっていた。快晴の後の夕立。非常にドイツらしい天候である。 急に雨が降ってきたのでピクニックは終わりとなったが、そのようにして外でみんなで食事をする時間というのも非常に楽しいものである。星空だとまた別の雰囲気があったかも知れない。いずれにしても楽しい時間を過ごすことが出来た。 ところで今回僕たちがピクニックをしていた場所は映画「Die Wittelsbacher ヴィッテルスバッハの人々」で舞台になっていた場所である。ピクニックの最中にもその話題が何度か出た。スクリーンの中に見つけた風景で時間を過ごせたのも、今回のピクニックにおける一つの楽しみであった。 以下の写真は全て2004年8月6日(金)に撮影したもの。 |
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(2004年08月28日) |
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