やまねこの物語

日記 謝肉祭
2000年3月7日、火曜日は謝肉祭だった。謝肉祭、世間一般にはカーニバルと呼ばれる。南ドイツやオーストリアでは、ファッシング Fasching と呼ばれている。これは正確には前年の11月11日11時11分に始まり、翌年の四旬節、つまり復活祭前の40日間が始まる前の火曜日に終わる。しかし実際には1月6日、山賢王の祝日以降、特に最後の1〜2週間に盛り上がり、最終日の火曜日 Faschingsdienstag に最高潮に達する。この最終火曜日は公の祝日ではないが官公庁、銀行、商店、学校も休みになったりする。(商店や銀行は午前中のみ営業する)

僕の語学学校も当然休みだった。そこで僕は昼頃ミュンヘン市の中心部、マリエン広場に向かった。もうそこはすごい人の数だった。大晦日もすごいと思ったが、このファッシングもすごい。一体どこからこんなに人が沸いて来るんだと思うくらい人が多かった。マリエン広場にはステージが設けられバンドが演奏している。ヴィクトァリエン市場もすごい人だ。至る所にステージが設けられ、色々な街頭ミュージシャンがいた。僕はこのファッシングを初めて体験したが、特に街ゆく人のパワーに驚かされた。みんなすごい格好をしている。顔にメイクをしたり、訳の分からないものをかぶったり。死神の格好をしている人や、スターウォーズ系のかぶりものをしている人も多かった。街中至る所で、紙吹雪が飛んでいる。僕も何度もかけられた。僕はこの雰囲気を写真に撮ろうと試みたが、歩いている人にぶつかったりして写真は撮れなかった。ぶれた写真ばかり。それでペーター教会の塔の上から観てみようと思って、教会の階段を上がったが、やはり同じことを考えている人は多いようで、狭い階段やその狭い展望台には人があふれていた。ここでは数枚だけ写真を撮ることが出来た。

日本にも色々な祭りがある。必ずしもそうとは言えないかもしれないが、日本の祭りは、どちらかというと“観る”ということでその祭りに参加していることが多いと思う。例えば山車が曳かれているのを観たり、御輿を担いでいるのを観たり。でもドイツの祭りは観るだけでなく参加している人が多いと思った。そういえば、マリエン広場でのバンドの演奏で、曲がワルツになったりすると、大人や老人の人も踊ったりしているのには驚いた。日本人だと特に夫婦で、人前で手を取り合って踊ったりするということは希だと思う。それ以外で冬は動かない新市庁舎の仕掛け時計も曲にあわせて(?)動いていた。ドイツ人は本当に陽気だ!と思った一日だった。
ペーター教会の上からマリエン広場 ペーター教会の上からマリエン広場
ペーター教会の上からビクトァリエン市場 ペーター教会の上からビクトァリエン市場
ペーター教会の上からビクトァリエン市場 ペーター教会の上からビクトァリエン市場
マリエン広場 マリエン広場
 (2000年3月11日)
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