やまねこの物語

日記 一時帰国
僕は先日、日本に一時帰国した。ミュンヘンから日本(関西国際空港)に帰る方法は幾つもある。一般的なものはミュンヘンからフランクフルトまで行き、そこで乗り換えて日本まで行く方法。それ以外ではウィーン経由やオランダ経由、パリ経由などがある。僕は料金や日程を考えてパリ経由で帰った。パリ経由といえばエール・フランスだ。帰国の前日は夜遅くまで準備をしていたり、大家さんと喋ったりしていたので、ほとんど寝ることも出来ずに空港へ向かった。前回もそうだったが EU 圏内ということでパスポートのチェックはなかった。簡単に出国できてしまった。そういえば、またしても手荷物検査でパソコンのチェックを受けた。起動させるだけでいいのだが、一度起動させて、また終了するのは結構時間がかかる。それで僕は比較的起動時間のかからない、WINDOWS 2000 を起動させた。そうすると僕の周りには一気に人が集まった。ドイツは情報が早いが実際にものが手に入るのは遅い。それで話題の WINDOWS 2000 だったから、いきなり10人くらいの人が僕の後ろから僕の作業を覗き込み、起動音がなったときにはみんな拍手してくれた。ちょっと怖かった。そんなことがあって無事飛行機に乗り込んだ。

でも飛行機の自分の席に行くとすでに人が座っている。それで僕はチケットを見せて自分の席に座った。でもその隣の人が、どうも僕に席をかわってくれと言いたげだ。その人は偶然友人と同じ飛行機に乗ることになったとかで、席をかわってくれていうことだった。結局その人が客室乗務員の人に言って、僕はその友人という人が座っていた席へ移った。席をかわって差し上げた。ま、パリまでは2時間もかからないし、どこの席でもいいんだけど。それで新しい席に座ったとき、昨晩ほとんど寝ていなかったせいか、すぐに寝入ってしまった。飛行機が動き出したのも覚えていない。大きな音で目が覚め、その時飛行機はかなりのスピードで走っていた。熟睡している間にパリへ着いたのだ。予定では10時25分離陸、12時ちょうどの到着だった。でも時計は11時35分。25分も早く着いた。パリ・シャルル・ドゴール空港のお土産屋さんでもドイツマルクが使えるらしいから、何かお土産を買おうと考えた。時間には余裕がある。チョコレートがいいか、お酒がいいか。と、考えている矢先、飛行機は離陸した。

なんで?暫くしてアナウンスが入った。飛行機は整備のため1時間以上遅れているらしかった。でもすぐに機内食が出た。普通、ミュンヘンーパリ間は1時間半ほどで着くので、機内食はでない。飲み物とパンが一個だけ。でもこの日は機内食がでた。僕は飛行機が遅れたお詫びの印で、機内食がでたと思った。と思ったら僕の後ろのカーテンが閉められた。僕はビジネスクラスに座っていたのだ。僕がかわって差し上げた人がもともとビジネスクラスを予約していたようだ。で、僕は機内食を食べてしまいました。飛行機は予定よりかなり遅れてパリへ着いた。パリへの着陸の前、客室乗務員が僕の所へ来て、大阪行きの飛行機はすでに搭乗が始まっているので、あなたは全速力で走ってください。と言われた。パリ・シャルル・ドゴール空港はかなり広い!それに結構不案内だ。僕は2度もここで迷子になっている。ひえ〜とか思いながら、重い荷物を持って走った。でもさすが3度目、空港では迷わなかった。でも自分の乗る飛行機の所へ行ったら、すでにそこには飛行機の姿はなかった。

乗り遅れた!と思ったら、空港の人が僕をリムジンバスみたいなもので飛行機まで連れていってくれた。僕以外にもあと数人いた。時間はとっくに離陸している時間だった。でもなぜか飛行機へ上がる階段のところでパスポートチェックがあるらしい。僕の前に並んでいた外国人の人がそんなことを言ってる。後ろの人を見たら10人くらいの団体客だ。あれ?みんな黒色のパスポートを持ってるぞ。韓国人だ!僕はてっきり飛行機を間違えたかと思った。飛行機の席も僕の席はなぜか韓国人の団体の中にポツンとあったので、本当に飛行機を間違えたのかと思った。ま、なんだかんだ言ってるうちに飛行機は無事大阪に向けて出発した。

このパリから大阪に向かう飛行機には“シャンゼリゼ・エクスプレス”と名前が付いている。以前もこれを利用したがかなり快適だと思う。サービスが良いというか。それに各自の席にそれぞれモニターが着いていて、好きな音楽を聴くことが出来、ニュースやスポーツチャンネルを選ぶことが出来る。ゲームもあってテトリスやパックマン、オセロなどがある。一人で乗っていても飽きないから結構良い。それに真っ暗になっている時間の時も、客室乗務員の人がこまめに水を配っている。そういうサービスはすごく良いなと思った。日本的というかアメリカ的というか。ドイツの航空会社も何度か利用したが、そんなサービスはなかったし、客室乗務員は通路でリンゴをかじったりしている。すごいドイツ的だ。ドイツはもともと職人の国なので「お客様は神様です」というようなことはあまりない。ドイツのお店では、つまりマクドナルド的な、「いらっしゃいませ、こんにちは」と笑顔で客を迎えてくれるわけではない。それはマクドナルドでもそうだ。全部が全部そういうわけではないと思うが、結構ドイツのお店はそうだと思う。別にドイツの航空会社のサービスが悪いと言っているわけではない。ドイツの航空会社は当然ドイツの文化を持っている。これはこれで良いことだと思う。

あと、ミュンヘンに帰ってくるとき、パリからミュンヘンへの飛行機で下を見ていると、窓の下にパリの街並みが見えた。ちょうど快晴で夕日が綺麗な日だった。エッフェル塔を初めて見た。何か得した気分だった。
こんな風に全席にモニターが着いています
こんな風に全席にモニターが着いています
 (2000年3月24日)
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