2005年4月28日から10月9日まで BUGA
がミュンヘンで行われた。BUGA (ブガ)とは BUndesGArtenschau
の略でドイツ連邦園芸博といった意味である。これは2年ごとに行われる博覧会で第一回は1951年、ハノーファーで開催された。都市と地方、経済的なこととエコロジー、自然と創造といったことをテーマにし、これまでにベルリン、ハンブルク、シュトゥットガルト、フランクフルト、マンハイム、カッセルなどで行われ、これまでに約5.000万人が訪れた大きなイヴェントである。 その連邦園芸博が上記の期間、初めてミュンヘンで開催されることになり、そのためにメッセ都市の南側に新たに大きな公園が造営された。約200ヘクタールの広さがあり、最長で東西に4キロ、南北に1キロあるこの大きな公園はミュンヘンの人工公園としては最も広いものである。
ところで BUGA が始まる前、電車の車両や街の看板に
BUGA のポスターや宣伝が見られ、外出すると一日に一度はその宣伝を目にすると言った具合に、街中の至る所でそれらが見られた。しかし実際に BUGA
が始まっても、入場者数は当初期待されていた程ではなかったようだった。というのは夏らしい日が少なく、花が咲いていないといったことが何度も報道されていたので、会場を訪れるのを躊躇っている人が多かったのだろう。しかし、入場者数が伸びていないということは、言い換えればそれだけ
BUGA に期待している人が多いということかも知れない。
入場料は一般が14オイロ、学生が12オイロと(個人的な感覚では)少し高いようにも思われる。行くなら、やはり花が咲いている時期に訪れたいと思うのは、僕だけではないだろう。しかし花が咲いていないという報道の影響があってか、訪れる時期を待っている人が多いように感じられた。
しかし BUGA 期間の最後の週末、つまり土、日曜日の2日間には、(週末として)これまで最高の約8万人が訪れたと言うことだった。天気も良く最高気温が19度と過ごしやすかったこともあるが、その数字は
BUGA に対する関心の大きさを表しているように見える。
僕は期間最終日である10月9日(日)に会場を訪れた。報道では花が咲いていないとあったが、会場には色とりどりの多くの花が咲いているといった印象を受けた。しかしよく見てみると枯れているのか、それとも最初から育っていないのか、寂しく感じられる場所もあった。ところでこの会場は、とにかく広い。正確には無駄に広いように感じられた。何もない場所が多いのである。自然をテーマにしているので何もない場所があってもおかしくはないのだが、いずれにしてもこういった土地の使い方が如何にもドイツらしいと思われた。
個人的に一番面白いと感じたのは、お墓の展示である。お墓のコーナーを目にしたとき、何故お墓がここに?と最初は思ったが、考えてみれば植物を植えたり、花を飾るお墓は園芸と切っても切り離せない関係にあるのだろう。そこには従来の墓石だけでなく斬新なデザインのお墓があった。また職人の手による墓石を削る実演などがなされていた。
ところで今回の BUGA では約8.000の催しがあったと言うこと。また最終入場者数は300万人と、当初見込まれていた370万人には届かなかったが、この数字はこの20年で最も多いと言うことだった。最終日、最後のイヴェントとして幾つもの花火が打ち上げられた。この花火は既に陽がくれて真っ暗になった19時半に始まり、約10分間続けられたが、花火が終わると辺りは真っ暗になった。目の前に見えるのは、ただ花火の白煙だけだった。街灯が全くない。というのはこの
BUGA は午前9時から開場だが、終了は日が暮れる30分前と季節によって違っており、暮れる前に終了というためか街灯が設置されていないようだった(この会場は
BUGA 終了後、公園として整備されるということだが、その時には街灯は設置されているだろう)。
BUGA は単なる園芸の博覧会というだけでなく、色々なパビリオンや展示などから、今後の人と自然の付き合い方なども学ぶことが出来る。自然と創造というテーマの元、如何に共存していくか。花火のあと、真っ暗になったのも、ある意味自然と共存していると言えるかも知れない。そう思いながら真っ暗な会場を後にした。
以下の写真は全て2005年10月9日(日)に撮影したもの。撮影した順に並んでいます。
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