やまねこの物語

日記 オクトーバーフェスト2006開幕

2006年9月16日(土)、今年で173回目となるオクトーバーフェストがテレージエンヴィーゼで開幕した。オクトーバーフェストは世界最大のビール祭、民族祭として知られる。公式な開幕時間は正午で、市長がビア樽に杭を打ち込み、栓を開けたときに開始となる。その時に花火が上がり、それが開幕の合図となる。

そしてその正午のイヴェントの前に各ビール会社のビア樽を積んだ化粧馬車と会場で働く人々(約1.000人)のパレードが行われる。これは市内ヨーゼフシュピタル通りを10時45分に出発し、会場に建てられた各ビール会社のテント(1.000人から10.000収容まで様々)まで続くパレードである。そのパレードを見るために、自分は午前9時半頃会場に向かった。

ところで今年のオクトーバーフェストに関して、始まる前は何処か盛り上がりのなさを感じていた。例年は、例えば交通機関の案内板に、オクトーバーフェスト期間中の案内などがあったり、ニュースなどでも開幕前の会場の様子が伝えられることがある。それによって徐々に気分も盛り上がってくるように感じられるが、今年はそれがほとんど感じられなかった。

その理由の一つにローマ教皇ベネディクト16世がオクトーバーフェストの始まる直前、9月9日(土)、10日(日)にミュンヘンを訪れたことが挙げられるだろう。街の人々の関心はそちらに向けられており、バイエルンのニュースなどでも、それに関する報道ばかりがなされていた。教皇のバイエルン来訪の期間は13日(水)までだったが、その後も教皇に関するニュースがあり、オクトーバーフェストに関する報道はほとんど見られなかったと言っても良い。

そういった状態だったので、オクトーバーフェスト初日にどれだけの人が会場に来ているか、少し不安に似た感情を覚えていたが、午前9時頃に家の最寄りの地下鉄駅に行ったとき、その不安はかき消された。ホームには数人の警官や民族衣装に身を包んだ人のグループが幾つもあった。地下鉄の中にも民族衣装の人が数多くいて、9時半頃会場に着くと、そこは既に多くの人で溢れていた。そのほとんどの人はビアテントの場所取りに行くのだろう。ビールが出されるのは12時からだが、初日のその時間には、既にテントは入場制限されており、中に入ることが出来ないことが多い。だから多くの人が早い時間に会場を訪れる。

一方、パレードが行われる会場内や会場へ続く道には、午前9時半から10時くらいにロープが張られ、沿道に人が集まり始める。自分も逆光にならない、適当な場所を選んでパレードが始まるのを待った。気温は15度で、それほど寒くはないが空は曇っている。しかしその大きな白い雲の向こうに眩しい太陽があるのが感じられ、雲は銀色に光っていた。10時半頃には沿道に立つ警官の姿も多くなり、沿道の中にも少し緊張が感じられるようになった。

10時45分に始まった(と思われる)パレードは、午前11時5分頃、会場に近づいてきた。沿道の歓声が聞こえてきている。暫くすると馬に乗った警官隊が入ってきた。そしてミュンヘン市のシンボルであるミュンヘン小僧(に扮した女性)が続き、市長クリスチャン・ウーデの乗った馬車が続いた。多くの人が写真を撮ろうと乗り出したり、手を振ったりしている。市長もそれに笑顔で手を振って応えている。その後、各ビール会社のビア樽を積んだ化粧馬車と会場で働く人々のパレードが続いた。こちらではお祭りらしい歓声や奇声が上がっている。会場(各テント)で働く人達は馬に引かれたの馬車の荷台の上で既にマスジョッキ(1リットルのジョッキ)のビールを飲んで盛り上がっている。楽団の音楽がそれに花を添えている。

パレードは30-40分程続いた。自分は会場正面入り口の直ぐ側に立っていたが、そこは少し開けた場所だったので、警官やカメラマンの数も多く、時々その間から覗き込まなければならないときもあったが、いずれにしてもパレードを楽しむことが出来た。

パレードが終わって、沿道のロープが解かれて暫くした後、花火が上がった。オクトーバーフェストが始まった合図である。灰色の雲を背景にしているので、その花火も直ぐに雲の中に消えたが、その合図があったとき、周りにいた人達は拍手をしたり、奇声を上げていた。この頃には気温も20度を超え、非常に暑く感じられるようになってきた。とにかく人が多い。その熱気でなおさら暑く感じられる。

その人混みの中、会場内を歩いてみると、ほとんどのテントが入場制限をしていた。そのテントの周りにあるビアガーデンも人が一杯で、場所が空くのを待っている人達の姿がそこにはあった。会場内の遊戯施設側、こちらも幾つかの施設は順番待ちで、オクトーバーフェストが始まる前に感じていた盛り上がりのなさは全く感じられなかった。想像以上に盛り上がっていると言ってもいいかも知れない。会場では携帯電話で会話をするのが難しい程に様々な声や音が溢れていた。

今年のオクトーバーフェストは10月3日(火)のドイツ(再)統一記念日まで行われる。テレージエンヴィーゼの小高い丘(階段30段程)の上に立つバイエルンの守護神バヴァリア像の足下から会場を望んでから、テレージエンヴィーゼを後にした。


以下の写真は全て2006年9月16日(土)に撮影したもの。

午前9時半頃の会場入り口

午前9時半頃の会場入り口

午前9時半頃の会場入り口

午前9時半頃の会場入り口

パレード開始前

パレード開始前

パレード

パレード

パレード、ミュンヘン小僧

パレード、ミュンヘン小僧

パレード、ミュンヘン市長クリスチャン・ウーデ

パレード、ミュンヘン市長クリスチャン・ウーデ

パレード

パレード

パレード

パレード

パレード、王ルートヴィヒ2世に扮する男性

パレード、王ルートヴィヒ2世に扮する男性

パレード

パレード

パレード

パレード

パレード終了後の会場

パレード終了後の会場

テント前

テント前

テント前

テント前
人が多くて入場制限されているとある。

テント前

テント前
バイエルン州首相シュトイバーや市長ウーデがいるテント。

テント内

テント内

インタビュー

インタビュー

魚

馬

ヘルツェン・レープクーヘン

ヘルツェン・レープクーヘン

バヴァリア像

バヴァリア像

バヴァリア像

バヴァリア像

バヴァリア像とビア樽

バヴァリア像とビア樽

バヴァリア像台座下から見た会場

バヴァリア像台座下から見た会場

(2006年9月20日)

 

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