やまねこの物語

日記 総領事公邸での新年会

昨年12月に、在ミュンヘン日本国総領事公邸で行われる新年会の招待状を頂いた。そこには日付と場所が記載されてあったが場所の名称が「公邸」だけだったのが印象的だった。

この総領事公邸は通称 Japan Residenz ヤーパン・レジデンツと呼ばれている。そのまま訳するなら日本宮殿といったところだろうか。ミュンヘン市内ではなく、隣の街にある。そこは高級住宅街が建ち並び著名人が多く住んでいることで知られ、その一角にその公邸がある。

今日、朝起きた時にまだ前日までの頭痛が残っていたが、服を着替えて行くことにした。前日はズキンズキンと頭の中で何かが唸っているような痛さがあった。

自分の部屋からは地下鉄やトラムを乗り換えて約1時間かかる。余裕を持って家を出た。最寄り駅までトラムに乗っているとおそらく同じ場所に向かうであろう日本人の姿が見えたので挨拶をして一緒に公邸まで向かった。

緑の多い夏の時期なら非常に落ち着いた場所に感じられるだろう。しかし冬は葉をつけていない木々が寒々しく見える。しばらく歩いていると立派な門が見えてきた。塀に囲まれた中に、ロココのような建物が見える。そこがヤーパン・レジデンツ、総領事公邸だ。

領事館の人達が表で迎えてくれる。挨拶をして、建物の中に入り、招待状を提出した。建物に入って正面にはロココ様式の広間がある。広間といってもそれほど広くはない。今回の招待状に「スペース上の関係でご同伴の方はご遠慮願います」とあったことからもそれが分かる。しかしホームパーティーなどをするには十分な広さだ。

既にそこには何人かの人達がいた。大体グラスを片手に何かを話している。知人を見つけて新年の挨拶をした。そして次々に人がやってきては、そこにいる人達に「あけましておめでとうございます」と挨拶をしていた。

そんな状態がしばらく続いていたがお昼を少し過ぎた頃、新年会が始められた。総領事、日本人会会長の挨拶が続き、乾杯をする。その後は食事となった。隣の部屋に食事が用意されテーブルの上にはエビやカニなどの料理以外にお寿司が並んでいた。それらは総領事館お抱えの料理人によるもので、その後にはケーキやコーヒーなども出された。

この新年会、幾つかテーブルがあり、自分はお皿に食事を取って知人のおられたテーブルに着いた。何人かで色々な話しをしていると、あっと言う間に時間は過ぎ、午後2時頃には席を立つ人が出始めた。

そして雰囲気的にも閉会となり、自分も総領事や領事館の方々にお礼を言ってその場を出た。建物の外に出ると強い風が吹いていた。高級住宅地だけあってひっそりとしていてそれがより強い風のようにも感じられた。

先日の総領事官主催の、ホテル・バイエリッシャーホーフでのパーティでもそうだったが、自分の知らない人が多く参加しているこういった催しは、色々な方と知り合え、自分の世界を拡げられる機会でもあるのと同時に、また自分が今いる場所の再確認にもなる気がする。そんなことを思いながらトラムに乗った。そういえばいつの間にか、朝まで残っていた頭痛は感じなくなっていた。

(2007年01月12日)

 

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