日記　バイエルン優勝！

この日記は「ミュンヘン対ミュンヘン」「サッカーな日」関連です。

朝起きたとき、ラジオではいつものようにニュースを放送していた。スポーツニュースでは、F1のミヒャエル・シューマッハがどうだとか、サッカーがどうだとか放送していた。僕は特に予定もなかったが、天気が前々日から続く雨で外出する気にはならなかった。昼頃その天気はさらに悪くなり、雷がゴロゴロいいだした。大家さん（おじさん）も（おそらく）友人に電話をして、「天気が非常に良いから、散歩に行けないじゃないか！」と上機嫌だった。チコはいつものように、おじさんの机の下で寝ていた。

午後3時頃急に天気が良くなって快晴になった。僕は欲しいCDがあったので、マリエン広場まで買いに行くことにした。土曜日お店は午後4時で閉まるので、それまでに買いに行かなければならない。でもマリエン広場につくと、そこにはいつも以上にテレビやラジオの放送局が来ていた。時々テレビカメラが回っていることもあるが、こんなに多いのは初めてだ。無事CDを買うことができて、そのついでに用事を済まそうと思って、街の他の地域まで出かけることにした。その時、街の大きな道路でクラクションを鳴らしながら走っていく車を目にした。中にはオープンカーで旗を振っている車もあった。それもすごい数だ。その時初めて僕は気付いた。バイエルン・ミュンヘンが優勝したんだ！

僕はドイツサッカー、ブンデスリーガ（ドイツリーグ）については全然詳しくない。チーム名や有名な選手を知っているくらいで、今現在の順位も知らない。でもとにかく、ミュンヘンを本拠地にするバイエルン・ミュンヘンというチームが優勝したようだ。2冠とか言っていたような気もする。用事を済まして家に帰ろうと路面電車に乗ろうとしたら、サッカーの応援帰りの人でいっぱいだった。サッカーの試合はミュンヘンのオリンピックスタジアムで行われていたようだ。路面電車は人でいっぱいだったので、そのまま乗っていくのを諦め、途中の中央駅で降りて、再びマリエン広場に電車で戻ろうとした。午後7時前だったので、ついでに夕食でも食べに。

電車の中もバイエルンファンがいっぱいいた。電車がマリエン広場につくとき、車内アナウンスで、「バイエルン・ミュンヘンファンはここで降りてください。」というようなアナウンスがあった。マリエン広場、この日は出口の一つが閉鎖されていた。何事かと思い地上に出たら、ものすごい人の数だった。どうやら優勝セレモニーみたいなものが行われるよう。それで、テレビ局やラジオ局がいっぱい来ていたのだ。で、僕は思った。広場にいる人たちがレストランに来たら一杯になるだろうから、それまでに食事をしに行こうと。でもどこのお店も予約で一杯。なんとかお店を見つけて、夕食をとっていたら、パトカーに先導された大型バスが2台と赤色のオペルの車が5台（オペルは公式スポンサー）、後ろにはまたパトカーが続いて通っていった。クラクションを鳴らす車も続いている。おそらく選手がマリエン広場に来たのだろう。

夕食を済まして帰ろうとしたが、もう一度マリエン広場を覗きたくもなった。でも既に午後8時半前だったので、あまり期待もせずに。もしかするともうセレモニーは終わっているかもしれない。ところがところが、セレモニーはまだ終わっていなかった。選手が市庁舎の特設ステージみたいなところに出てくると、それを待ちかまえていた群衆は一斉に万歳をして、すごい迫力だった。

日本のJリーグや野球の優勝セレモニーもこんな感じだろう。でも日本のJリーグだと、まだその歴史も若く、プレーしている人が同世代ということもあって、どちらかというと若い世代の人が盛り上げていると思う。個人的に日本の国民的スポーツはやはり野球の力が強いと思う。ドイツの国民的スポーツはサッカーだ。だからその優勝セレモニーには、亀より歩くのが遅いと思われる、おじいさんや、腰が曲がって杖をついている、おばあさんもいた。犬を抱えているおばさんもいたし、とにかくサッカーが全世代の人のものだと感心させられた。陽気なバイエルン人がもっともっと陽気になっていたようだ。家に帰ると、おじさんは、すでに壊れていた。

　（2000年5月22日）

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