やまねこの物語

日記 クラスコンサート

ミュンヘンにはいくつか大学があり、その一つにミュンヘン音楽大学がある。正式にはミュンヘン音楽演劇大学という。先日そのミュンヘン音大でクラスコンサートがあった。クラスコンサート、一言で言うなら「発表会」だ。ピアノ科の先生のクラスコンサートもあれば、声楽科のもある。先日は声楽科の先生のクラスの発表会があった。この先生はミュンヘン音大声楽科の教授らしい。その先生の教えている生徒の発表会、クラスコンサートがミュンヘン音大の大ホールであった。

ミュンヘン音大の大ホール、約600人強の人が入ることが出来る。ミュンヘンのイベントガイドのような本には、毎日のコンサート予定などが書かれていて、バイエルン州立劇場やミュンヘンで一番大きなコンサートホール、ガスタイクやミュンヘン音大のコンサートの予定が書かれている。その日は声楽科で有名な教授のクラスコンサートだったので、かなりの人が聴きに来ていた。

といっても出演するのは生徒なので、やはりその友人や親類などの関係者もいる。でもそれ以外に、ただ歌好きでコンサートを聴きに来ている人もいる。日本で同じようにようにクラスコンサートを行った場合、聴きに来るのはおそらく、友人や家族が多く、一般の市民が聴きに来ると言うことはあまりないだろう。大学の学祭ならまだしも、普通の平日の普通のコンサートには滅多に一般の人は聴きに来ないと思う。

ドイツの音大には、将来絶対にプロになりたいという人が入学して来る。趣味や楽器が弾ければいい程度で入学する人はほとんどいないと聞いた。といっても音大が「音楽のプロになるために必ず通らなければならない道」というのでは決してない。音大以外にも専門の学校があったり、プライベートで先生に付くことも出来る。でもどれにしても長所や短所があるので、どれが良いとは一概には言えない。ただ、友人の話だと、音大なら人前で演奏する機会が比較的多いのだそうだ。このクラスコンサートもその一つである。

で、僕が聴きに行ったクラスコンサートは有名な教授のクラスということで一般の人もたくさん聴きに来ていた。おそらく入場料が無料というのもあると思う。学生の中には、音大以外のコンサートでも結構場数を踏んでいる人もいると聞いた。もしかすると一般の人で、その人目当てに聴きに来ている人もいるかもしれない。例えばその人の歌の成長過程など。将来、光るかもしれない原石を聴きに来ているのだ。いずれにしても学生のコンサートにこれだけ多くの人が聴きに来ているということに驚いた。しかも当日の天候は良くなかったにもかかわらず。よほど歌が好きなんだと感心した。みなそうやって耳が肥えていくのだ。

ミュンヘン音大 

ミュンヘン音大

 

ミュンヘン音大大ホール

ミュンヘン音大大ホール

 (2000年6月12日)

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