やまねこの物語

日記 ミュンヘン市創設記念祭(画像をクリックすると大きな画像が出ます。)

 

6月10日土曜日から12日月曜日まで、ミュンヘン市の創設記念祭がマリエン広場を中心に行われた。ミュンヘンは1158年に市となったので、今年が842回目の市の誕生日だ。「1158年、ヴェルフェン家のハインリヒ獅子公によって町が成立し、領主はイザール河畔のフライジング司教の税関橋を破壊して、市と貨幣を制定した。」ということだ。ミュンヘン市の紋章

ミュンヘン Muenchen の街の名は最初ここに住んでいた僧侶 Moench に由来する。市の紋章は黒い僧衣を着て両手を広げた子供の僧侶 Muenchener Kindl だ。州旗はアルプスの雪と空を表す「白と青の菱形」で、市旗は「黒と黄色の菱形」だ。

ちょうど今年のこの日は Pfingsten 聖霊降臨祭で、日曜日と月曜日が祝日になっている。聖霊降臨祭はキリスト教の3大祭りの一つで、バイエルンの公立の学校では2週間の休みとなっているので、市の中心部にはミュンヘン周辺の住民たちも集まって、ものすごい人の数だった。

出てこないミュンヘン小僧ミュンヘン市創設記念祭は3日とも午前10時に始まり、最終日を除いて午後11時まで続けられる。最終日は午後9時50分まで。ミュンヘンの市庁舎の塔には仕掛け時計があり、普段の日は午後9時に、「おやすみの挨拶」をしに、塔の両脇から人形、ミュンヘン小僧 Muenchener Kindl が出てくる。しかし最初の二日は祭りが午後11時まで続くということで、おやすみ人形は出てこなかった。

仕掛け時計の人形を見る人たち 

ところで、ミュンヘンの市庁舎には有名な仕掛け時計がある。等身大といっても、塔の上の方にあるので、細部までは分からない。でもこの日は正面のところに数台の望遠鏡が設置されていて、それらを細かく観ることが出来るようになっていた。本来は子供が見られるようになっていたらしいのだが、実際は大人の人が覗き込んでいた。

 

マリエン広場特設ステージ 

このミュンヘン市創設記念祭はマリエン広場を中心にオデオン広場まで続いた。マリエン広場では、特設ステージが組み立てられ、生バンドによる演奏があった。僕はそこに一日中いたわけではないので、詳しくは分からないが、パンフレットによるとロックやジャズ、ゴスペルなどもあると書いてある。夜はダンスなどもあったようだ。

 

踊る人たち生バンドがワルツ的な曲を演奏すると、座って飲んでいたのに立ち上がって踊りだす人や近くにいる人と肩を組んで音楽に乗っている人がいた。みんな結構陽気だ。大人の人が陽気に踊るというのは日本ではあまり見かけない風景だ。

マリエン広場マリエン広場 

マリエン広場は特設ステージ以外、ビアガーデンになっていて多くの人がお酒を飲んでいた。ほとんどの人がジョッキでビールを飲んでいる。左側の写真は午後9時前。西日がとても眩しい。

マリエン広場 旧市庁舎を望む
この日マリエン広場の特別ステージでは大きな音で生演奏がされていたが、午後3時、ミュンヘン市内全ての教会の鐘をならすというセレモニーがあった。このときは、鐘の音の方が大きい音だったので、バンド演奏はなかった。でも市内全部の教会の鐘の音というのはすごい迫力がある。ものすごく良く響く。

 

バイエルンの民族衣装を着た人たちこの日はミュンヘン市創設記念祭と聖霊降臨祭と二つの祭りがあって、ミュンヘン人にとってはものすごく重要で、楽しい一日だったに違いない。この日、バイエルンの民族衣装を身にまとった人を多く見かけた。でもみんなお腹が出ていて貫禄がある。バイエルンの民族衣装が似合うためには、お腹が出なければならない。僕には似合って欲しくない。

メリーゴーランドまた大人だけが楽しむのではなくて、マリエン広場周辺何カ所かで、メリーゴーランドを見かけた。子供が楽しそうに乗っている。メリーゴーランド大きさは色々違っていたが、でも、どれもその回転速度は速い。聞いたところによると、こっちでは観覧車なども回転速度が速いらしい。

 

ワインフェスト踊る人たちこのミュンヘン市創設記念祭のイベントの一つにワインフェストがあった。ワイン祭りだ。これは市庁舎の中庭で行われている。僕もワインを飲みに行ったが、ものすごい人の数だった。テントが張られた中だったので、その熱気はものすごかった。こちらでも生バンドが演奏している。曲が始まると踊りだす、おばさん達もいた。

 

王様オデオン広場一方オデオン広場の方でもビアガーデンのようになっていて、そこでも生バンドの演奏があった。こちらもすごい人の数だった。中にはものすごい格好をした人もいた。王様だ。どうやら本物の髭らしい。

 

手工業者
このオデオン広場は「職人の作業場」となっていて色々な手工業者の人がいた。家造りや椅子づくりなど。僕は真鍮(しんちゅう)の手工業者が気になった。そこでは真鍮で棒飾りを造る実演をしている。造った物は展示され、一本1マルクで買うことができたので、僕は2本買った。

 

バウムクーヘンまたオデオン広場では手作りのバウムクーヘンのお店が出ていた。その場で焼いているのだ。僕はミュンヘンに来てから一度も食べたことがなかったので、思わず買ってしまった。でもバウムクーヘンは丸いまま売られているのではなくて、いくつかに小さく切って、ポップコーンのような紙袋に入れて売られていた。結構美味しかった。

この3日間、祝日もあって、マリエン広場周辺はものすごく盛り上がっていたようだ。それにしてもバイエルン人は何でもビールを飲むきっかけにすると改めて思った。
 

 (2000年6月14日)

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