イザール河畔のアテネから --- やまねこの物語 ---

日記　ドイツ入国・出国（空港編）

最近、多くの観光ガイドが出版されている。当然ドイツの観光ガイドもある。大抵の場合、その本の中に出入国のことも書かれてあって、ほとんどの本で、「日本人の場合、ドイツでの出入国はパスポートの提示だけでいとも簡単に終わる。」と書かれている。

ところが僕の場合は・・・。1999年7月に僕は約一ヶ月間の旅行をするためドイツにやってきた。ところが、関西空港で悪天候のため出発が遅れ、またフランクフルト空港でも悪天候のため飛行機が空港に降りることが出来ず、そのあたりを旋回していたため予定より遙か遅くれて空港に降り立った。僕はミュンヘンに行く予定だったので、飛行機を乗り換える必要があった。最初の予定では乗り換え時間は約２時間あったのに、到着が遅れたため、時間はすでにミュンヘン行き飛行機の搭乗手続きが始まっている時間だった。僕は当然焦った。フランクフルト空港は最近新しく改装され、ヨーロッパで一番大きな空港になっている。広い！

だから早急に入国審査を済ませるべくカウンターに行った。ほかの乗客はほとんど素通りだった。ところが僕は飛行機の乗り継ぎに遅れる～、と思っていたので、かなり焦っているように見え（実際、かなり焦っていた）、また汗もかいていた。だから僕一人だけ入国審査で止められてしまった。帰りの飛行機の便名、入国の目的、滞在場所などを質問された。僕は焦っていたので、ミュンヘンへ行く飛行機に乗り遅れると言って何とか入国できた。そのあとに手荷物検査が待っている。普通はほとんどチェックがない（らしい）。ところが僕はそんな様子だったので、またしても一人止められチェックを受けてしまった。時間はすでに飛行機の離陸時間になっていた。僕は飛行機に遅れる～と言ってチケットを見せて急いで通してもらった。乗り換え場所まで普通はトラムなどの移動手段があるらしいのだが、僕はそんなことを知らなかったので空港内を走り回った。やっぱり迷子になった。何度も人に聞いてなんとか乗り換え場所までたどり着いた。だが、あれ？飛行機はまだ搭乗手続きもされていなかった。というのは、悪天候のためミュンヘン行きの飛行機がまだ到着していないということだった。ふ～。入国審査の時は何があっても落ち着いているべきだと学習した。

入国だけでなく出国もそうだ。数年前、ミュンヘン近くのプリーンという街でゲーテの授業を受講して、それが終わって帰国のためミュンヘン空港からフランクフルト空港まで行くとき、ほかの友人などはみんなほとんどチェックなく搭乗手続きが終わった。だが僕の場合、僕はそのとき、髪が肩まであって、黒のスリムのジーンズ、黒のブーツ、黒のロングコート、おまけに手にはギターを持っていた。あやしい！僕はゲーテに参加しているとき、ペンションのようなところに滞在していた。そこにはガスがあって部屋でお湯などを沸かしてコーヒーを飲むことが出来る。僕はコーヒーが好きなので、インスタントコーヒーの瓶をいくつか買っていた。ゲーテが終わったとき、コーヒーや砂糖が余ってしまった。捨てるわけにもいかず、またスーツケースの中では場所をとるので、仕方なくコーヒーと砂糖をそのギターケースに入れていた。

その搭乗時のチェックでは、僕一人そのような格好だったので、みんなと違って当然止められてしまった。僕一人、カバンの中だけでなく、辞書の中や筆箱の中までチェックを受けた。友人たちは僕一人止められているのを見て笑っている。そんなとき、ギターケースの中の砂糖が見つかってしまった。別に見つかって困りはしないのだが、チェックをする人は「これは何だ？」と聞いてくる。麻薬だと思ったのかもしれない。僕はその出で立ちから麻薬の密売人とでも思われたのであろうか。結局、ゲーテを受講していたというのがわかって無事、飛行機に乗ることが出来たけど。

そういえば、ミュンヘン空港はチェックが厳しい。なぜか分からないけどパソコンが注意を受ける。チェックを受けた後、パソコンの起動を求められる。なぜだろう。パソコン型の爆弾と思われるのか、また赤外線チェックが強くて、パソコンが壊れていないかの確認か、にしてはそのような応対ではないが。みんながパソコンの電源を入れてる姿は結構滑稽だ。

話は変わって普通、ドイツへ入国、ドイツから出国するときはスタンプを押される。日本でのように。ところが、今月（2000年1月）、エール・フランスを使ってパリ経由で日本に帰るとき、最初は EU 内の移動なのでドイツ出国、フランス入国のスタンプは押されなかった。審査がなかった。でもフランス出国の際も審査、手続きがなく、スタンプもなかった。なぜだろう。そのまま日本に帰ることが出来た。友人もドイツから日本に帰ったが、その友人はマレーシア経由で帰ったため、僕と違ってドイツでの出国審査があったらしい。僕はミュンヘンに帰ってくるときも同じく、エール・フランスを使ってパリ経由で帰ってきたが、フランス入国の際、その日中にドイツに出国するということで、フランス入国スタンプはなく、入国カードの記入だけで終わった。パリからミュンヘンへの移動は EU 内ということで、フランス出国、ドイツ入国の審査もなく、スタンプがなかった。何もチェックもなくドイツに入国できてしまった。こんな簡単に入国できていいんだろうか。

(2000年1月上旬)