やまねこの物語

日記 サッカーな日

この日記は「バイエルン優勝!」「ミュンヘン対ミュンヘン」関連です。

僕が以前住んでいたところはミュンヘン市内プリンツレゲンテン広場の近くで、主に利用していた交通機関は地下鉄4番線だった。昨年オリンピック公園近くに引っ越ししてからは地下鉄3番線を利用するようになった。引っ越しする前、自分の生活はサッカーと全く関係なく、例えばミュンヘンでドイツサッカー・ブンデスリーガ(ドイツ・リーグ)の試合があっても、それほど気にならなかった。が、オリンピック公園の近くに引っ越ししてから、少々気になるようになってきた。というのはオリンピック公園にあるスタジアムをホームとするバイエルン・ミュンヘンの試合がある度に地下鉄3番線は満員電車になり、また僕の家の近所は応援する人達で騒がしくなり、警官もパトロールに回っているからだ。

僕は別にサッカーファンではないが、近くのスタジアムから響く応援の地響きなどを聞くと「今ゴールを決めたのか?」など少々気になるようになった。と同時に勝敗も気になってきていた。いつしか僕はバイエルン・ミュンヘンのファンになってしまったのかもしれない。と言っても積極的に応援するというのではない。正直なところサッカーでどのチームが勝ってもそれほど関心はないのだが、どうせ勝つなら僕が住む街のミュンヘンのチームに勝って欲しい、という程度だ。日本の高校野球全国大会で出身県を応援するのと同じようなものかもしれない。

2001年5月19日土曜日、ドイツ・ブンデスリーガ(1部リーグ)はバイエルン・ミュンヘンの優勝でシーズンを終えた。詳しくは知らないが3年連続の優勝のようだ。この優勝が決まったときも盛り上がっていたのだが、23日にヨーロッパサッカーのチャンピオンズ・リーグ決勝があるということで、お祝い騒ぎはその優勝が決まるまで「お預け」といった雰囲気があった。僕はそのチャンピオンズ・リーグについて詳しくは知らないが、とにかくヨーロッパ一のチームを決めるリーグのようだ。準決勝戦まではホーム・アンド・アウェーの方式らしくミュンヘンにもイギリスやスペインの強豪チームがやって来ていた。新聞やテレビでもそれに関するニュースをやっている。

5月23日水曜日ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグ決勝はイタリア・ミラノでドイツのバイエルン・ミュンヘン対スペインのヴァレンシアがヨーロッパ一をかけて戦うことになった。前日のテレビではミラノから試合前夜の模様を放送していて、雰囲気も徐々に盛り上がっているようだった。バイエルン・ミュンヘンファンも現地に多数乗り込んで騒いでいる姿がテレビに映し出されている。試合当日は色々なテレビのニュースでチャンピオンズ・リーグについて放送していた。ニュース番組の終わる間際の一言でも「今晩はお祝いしましょう!」と言っている。

試合はミラノで行われているが、その中継をどうやらオリンピックスタジアムでも放送するようだった。というのは、この日の夜バイエルン・ミュンヘンを応援する人達が電車に乗ってオリンピック公園に応援に駆けつけていることから分かった。僕は外出していたのだが地下鉄での帰り、電車の中は満員でそれぞれの駅に到着しても「降りる方は降りてください。新たに乗るお客さんは次の電車に乗ってください。もう人で一杯です。」といったようなアナウンスをしている。僕も乗車するとき電車一本見送らなければならなかった。またちょうどその日はスタジアムすぐ横のオリンピックホールでライオネル・リッチーというアーティストのコンサートも予定されていたので、その分地下鉄3番線を利用している人の数は多かったようだ。

僕は家に帰ったのだが、試合が始まってからは応援する人の地響きが何度も聞こえてきていた。まるですぐそこで試合をしているような雰囲気だ。夜10時頃、僕もちょっと覗きに行こうとスタジアムまで行ったのだが僕はチケットを持っていないのでスタジアム内に入ることは出来なかった。が、フェンス越しに試合の模様を放送する大型モニターが見える。でも角度が悪く、もちろん全部見えるわけではない。フェンスのところには中で応援できない人たちが、苦しそうな体勢でそのモニターを覗き込んでいる。スタジアムの回りには幾つかお店もでてビアガーデンもあった。スタジアムの音だけ聞いてビールを飲んでいる人達もいた。

試合の方は1対1で決着がつかず延長戦になったようだ。僕は用事があったのでそのあたりで家に帰り、後はテレビで応援することにした。夜11時半頃、延長戦でも決着がつかずPK戦になったとき、僕も思わずテレビの前で応援していた。PK戦の最後、バイエルン・ミュンヘンのゴールキーパー、オリバー・カーンが相手チームのボールを止めたとき、家の外では声援によるものすごい地響きが聞こえ、近所の家からもかなり興奮した雄叫びが複数聞こえてきた。試合後クラクションを鳴らす車や「バイエルン!バイエルン!」と叫ぶ人達の声が聞こえてきた。

テレビのニュースでもその模様を放送していて、翌24日(キリスト昇天祭で祝日)午後2時にミュンヘン・マリエン広場で優勝セレモニーがあるとのことだった。僕は外出する用事があったのだが、その前にマリエン広場に行ってみた。午後2時過ぎにマリエン広場に着いたのだが、そこは人人人だらけで一体何が行われているのか分からなかった。写真も撮ってみたが上手く撮れない。個人的には昨年の優勝セレモニーの時の方が綺麗に撮れたと思う。以前の日記にも書いたが、チームの歴史が長い分、応援する人も老若男女、おじいさんから若い女の子まで広範囲にわたっている。腰の曲がったおじいさんが、バイエルン・ミュンヘン応援Tシャツを着ている姿をみてその歴史みたいなものを感じることが出来た。

セレモニーなどでも音楽がかかっているのだが、流行り(?)の格好いい音楽ばかりではなく、オクトーバーフェストでかかっているような、ビールが似合いそうな、いかにもバイエルンというような感じの曲もかかっていた。それを聴いて「ここはバイエルンなんだ」と改めて実感してしまった。とにかくバイエルン・ミュンヘン優勝おめでとうございます!というわけで、また長い日記を書いてしまいましたが、ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございます。

オリンピックスタジアム

オリンピックスタジアム(フェンスから)
試合の模様が放送されている。

バイエルン優勝の号外

バイエルン優勝の号外
 

マリエン広場

マリエン広場
旗が振られている

マリエン広場

マリエン広場
旗が振られている

頭

 

(2001年5月25日)

 

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