やまねこの物語

日記 バレエ

2001年6月13日僕は生まれて初めてバレエを観に行った。場所はバイエルン州立劇場。5月頃から比較的時間を作れるようになった僕は一度は観てみたいと思っていたバレエのチケットを買いに行くことにした。バイエルン州立劇場はバレエ公演の日、マキシミリアン通りにバレエの旗があげられる。以前それを見て「そうか今日はバレエをやっているのか。オペラではないのか。」などと思ったりしてオペラと同じ劇場でやっているバレエに少しは関心を持っていた。それにテレビでも時々バレエの放送や舞台裏(例えば稽古など)を紹介している。

それで州立劇場にあるチケットセンターへチケットを買いに行ったのだが、ほとんどチケットは売り切れていて手ごろな価格で残っているものは「ラ・バヤデール」というものだけだった。正直なところ僕には全く馴染みのない名前だ。というわけでバレエのページを作られている“うーさん”の掲示板であらすじ、観るときの心構えなどを教えていただいた。話はインドが舞台のようだ。(うーさん、どうもありがとうございました。うーさんのページはこちら。Lunatic Cafe別ウィンドウで開きます。

6月13日その日はものすごく良い天気で雲一つない快晴の一日だった。僕は初めて、バレエ公演日の州立劇場へ向かった。劇場に入り、座席に座ってみると合計6階あるうちの3階席右端の方で舞台が少し観づらい場所と分かった。特に舞台右後方は何も見えない。この日の劇場、今シーズン最後の日ということもあって立ち見席の人もいるくらい満席の状態だった。僕が双眼鏡を準備したりしているうちに照明が徐々に薄暗くなり、舞台が始まった。オペラの時もそうだがオーケストラの演奏が始まるとワクワクした気持ちになる。幕が開いた。

と、ここでオペラの場合なら歌手の方が歌い始めるのだが、バレエなので当然、歌はない。いきなり踊り始めたので僕には少し違和感があった。舞台の印象としてはとにかく展開が早いということだ。他にバレエを観たことがないので何とも言えないが、僕にはとても早く感じた。第一幕の70分はあっという間に終わってしまい、30分の休憩のあとの第二幕(55分)も舞台に夢中になっているとあっという間だった。

バレエを観ていて面白いと感じたのは観客の拍手をするタイミングだ。僕は他のバレエを観ていないので一概には言うことが出来ないが、オペラやコンサートの場合、曲がジャン!と終わったときに拍手が起こる。でも僕が観たバレエでは曲が終わる前に拍手が始まり、その拍手の最中に曲が終わる時が何度かあった。僕はオペラ自体もそう何度も観ているわけではないので簡単に比較することは難しいが、バレエにはバレエの見方があるらしい。

それで上演が終わって最後の舞台挨拶のとき、ものすごい数のブラヴォーがあった。主役3人に対するものもすごかったが、一番すごかったのは指揮者が出てきたときだ。足をどんどん踏みならす人もいるし、ブラヴォーを叫んでいる人もいる。それで僕はパンフレットを見てみたのだが、そこにはバイエルン州立バレエの指揮者 Ander Presser 氏がその日、666回目の記念公演でまた、最後の指揮ということが書かれてあった。拍手は長い間続き、カーテンコールも今まで僕がオペラでも体験したことのないくらい、長い間続いていた。

初めてのバレエということで僕は色々緊張したりしていたが、話も分かりやすく予想以上に楽しむことが出来た。踊っている人達のテクニックがどうとか専門的なことは僕には分からない。でも高く飛んでいる、みな揃っている、何度も回転しているなど観ているだけでも綺麗だとわかる。ただ僕の座席から舞台が観づらいということはあったが、来シーズンも是非バレエを観てみようと思った。正面から観ることが出来ればもっともっと楽しむことが出来るだろう。

僕が劇場をあとにしようとした時、外は土砂降りの雨で雷が夜空を明るく照らしていた。傘は無いよりはましだが、ほとんど意味がない。というわけで色々印象深い初バレエの一日だった。

バイエルン州立劇場

バイエルン州立劇場
バレエの日は旗がでる

 

開演前

開演前
時間が早かったので人は少ない

 

開演前の劇場

開演前の劇場
立ち見の人もいる

 

開演前

開演前
インド風の幕

 

舞台挨拶

終演後主役の舞台挨拶
 

 

舞台挨拶

舞台挨拶
右手前が指揮者

 

(2001年06月18日)

 

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