日記 ビアガーデン |
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ビール。ドイツのイメージを人に聞くと必ず帰ってくる答えの一つだ。僕は日本にいるときもビールを飲んでいたわけでなく、少々たしなむ程度であり、全くアルコールには強くない。が、ミュンヘンに来て色々な人とのつきあいなどでビールを飲む回数が日本にいたときより多くなった。ドイツに来て驚いたことの一つにビールの安さだ。水よりビールの方が安いとよく言われるが、どうやらそれは外れてはいないようだ。 ドイツのビールを飲んでみて感じたのは日本のビールとは違うということだ。僕はそれほど飲んでいないので詳しくは分からないが、ドイツのビールの方が個人的に飲みやすい。ドイツにはビール純粋法という法律がある。1516年4月23日バイエルンのヴィルヘルム4世によって発せられ、それが現在も残っているということだ。ビールとは基本的に大麦のモルト、ホップ、水、酵母だけで製造されたものをいう(例外もあるが)。それで、現在はその4月23日がビール記念日となっていると聞いた。 僕は北ドイツには行ったことがないので、詳しくは知らないが、北ドイツ出身の人などから聞いたところによると北ドイツにはビアガーデンが少なくその規模も小さいようだ。また一般的にミュンヘンなどのビアガーデンなどではビールを1リットルのジョッキ(マス)で飲むのが普通だが、北の方は小さいコップやグラスで飲むのが多いと聞いた。どうやらビールの濃さに違いがあるらしい。南ドイツの方が薄いからジョッキで飲めるということだそうだ。また南ドイツではビアガーデンなど、ビールを外で飲む機会が多いが北ではそうではないらしい。ビールと一言でいってもドイツの北と南では色々な点で違うようだ。 ビールの醸造所はドイツに1300あると言われている。ビールはほとんどが地ビールだ。つまり一つの街に一つの醸造所があり、それぞれ地ビールを持っている。大きな街にはいくつもの醸造所があり、それぞれ独自の味を持っている。バイエルン州はドイツで最も醸造所が多く、言い換えるとそれだけビールの種類も多いということだ。 ところでドイツの夏は気温的に見ると日本とそう変わらない。30度を超える日も多い。が、ドイツには一般的にクーラーというものが存在しない(数少ない)。気温は高くても湿度が低いので、特に必要としないのかもしれない。ミュンヘンに住むドイツ人の知人が「暑い夏、涼を求めにビアガーデンに行く」と言っておられた。日本でビアガーデンというと、ビルの屋上にあるものを想像する。南ドイツでは森の中など屋外にあることが多い。確かに涼しいかもしれない。また修道院の近くにあることも多い。というのは昔は修道院で健康食品的なものとしてビールを造っていたからだ。今でも郊外などにある修道院に行くと近くにビアガーデンがあることが多い。 南ドイツのビアガーデン、僕が驚いたのはその規模の大きさだ。ミュンヘンには世界第一位(8000席)、第二位(7000席)の座席数のビアガーデンがある。座席数といっても長椅子があるだけだから、実際の数はもっと変わってくると思うが。また森の中などにあるので、家族で訪れている人が多いということに驚く。学生らしきグループだけでなく親子の姿も目にする。ドイツのビアガーデンは基本的に料理の持ち込み可というところが多い。飲み物だけをその場で買う。そういえば以前ビアガーデンと屋外のレストランの違いを聞いたことがある。ビアガーデンは一般的に客が自分で購入して自分で運ぶというセルフサービスということだ。 またビアガーデンは長椅子のところが多いので、見知らぬ人と相席になることが多い。相席になれば、少なくとも挨拶程度はする。ビアガーデンは誰でも受け入れられやすい雰囲気があるのだろう。ビアガーデンはビールを飲みながら食事をする場所でもあるが、それだけでなく会話をする場所のようだ。食事が終わっても席を立たない人は多いし、ビールだけを買ってきてずっと話し込んでいる人もいる。僕が以前お世話になっていた家の大家さんも、ほとんど毎日のようにビアガーデンに行っておられた。行くと数時間は帰ってこない。ビアガーデン、気の合う人達と過ごす場所としてはいい場所のようだ。確かに雰囲気はいい。でも何度も通っていると、バイエルンの衣装が似合う体型になってしまうので、ほどほどにしようと思う。 ちなみにミュンヘンには世界最大のビール祭り、オクトーバーフェストが開催されるなど街とビールとの繋がりは大きいが、それ以外に昔、州立劇場(当時王立)が火災で焼け落ちたときに再建費用を捻出するために国はビールに特別税をかけたという話がある。ミュンヘン市民はオペラ劇場を再建するために以前にもましてビール飲用に励んだ。結果、消失して2年後には完全に復元されたということだ。
ところで Abendzeitung という新聞で以前、ミュンヘンとその周辺のビアガーデン人気投票をやっていました。その結果です。
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(2001年09月01日) |
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