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| 日記 移動遊園地 | 
| 移動遊園地。この言葉から僕は、街の中央広場などに小さな観覧車やメリーゴーランド、紙芝居、サーカスなどがあるのを想像する。移動遊園地、つまり、普段は何もないところに遊園地がやってくる。中世ヨーロッパではサーカスの一団が移動するのと同じように遊園地も移動していたようだ。その名残かドイツには移動遊園地はあっても常設の遊園地の数は日本に比べるとかなり少ない。日本には常設の遊園地やテーマパークが一般的で、移動遊園地を僕は聞いたことがない。 ミュンヘンで毎年秋に開かれる世界最大のビール祭り、オクトーバーフェストは「ビール祭り」と言うだけあってビールの量はものすごく多い。しかしビール祭りといっても実際ビールを飲むことが出来るビアテントなどの割合はオクトーバーフェスト会場の約半分であり、残り半分は遊戯施設になっている。このフェストの会場は普段は何もない空き地で、フリューリングフェスト(春フェスト)やオクトーバーフェストの時期にその期間限定の遊園地が建設される。 正確に言うと「移動」遊園地というものではなく、「期間限定」遊園地と言った方がいいかもしれない。僕が初めて移動遊園地を見たのはミュンヘンではなくドイツの他の街だったが、その滞在中、移動遊園地があるということでその街の広場を訪れてみた。移動遊園地と聞いて僕は初めに書いたようなメルヘン的なものを想像していたが、その場に行ってみると大きな観覧車や絶叫マシンと呼ばれる類のものが並んでおり、みながキャーキャー騒いでいて僕が想像していたものとは、かなり雰囲気が違っていた。 ミュンヘン・オクトーバーフェストも同様で大きな観覧車や数種類のジェットコースター、多くの絶叫マシンなどが建設される。本当にこれらは常設ではないのか?と疑わずにはいられないほど、ちゃんとした(?)遊園地が建設される。普段この遊園地は一体どこにあるのだろう。分解されて倉庫にしまわれているのか、それとも他の街で遊園地として親しまれているのか。どちらにしてもその規模には驚かされる。 遊園地といえば一般的に子供が楽しむものというイメージがあるが、今回(2001年)オクトーバーフェストで見られたものは、必ずしも子供(若い人)が主役といった感じではないようだ。というのは年輩の方向けのメリーゴーランドや、小さい子供向けの本物の馬のメリーゴーランド、もちろん普通のメリーゴーランドもある。年輩の方が多く乗るメリーゴーランドは横で生バンドが演奏している。昔の哀愁などを感じることが出来るかもしれない。またビールを飲む人用のメリーゴーランドらしきものもあった。椅子などはゆっくりだが回転している。そこで皆が乾杯!としていた。 移動遊園地の遊戯たちは色々な街で多くの人々に楽しみを与えてくれる。大人になった人々も移動遊園地を訪れて自身の若かった頃を思い出しているかもしれない。遊園地、普通の常設のものはもちろん面白いが、特別な日しか街にやってこない移動遊園地もそれぞれの人にとって思い出深いものに違いない。移動遊園地、これからも多くの人に楽しみを与えていって欲しいと思う。 | 
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| (2001年10月03日) | 
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