やまねこの物語

日記 サッカー観戦

この日記は「バイエルン優勝!」「ミュンヘン対ミュンヘン」「サッカーな日」関連です。

僕はオリンピック公園の直ぐ側に引っ越ししてから一年以上経つが、まだ一度もその公園にあるオリンピック・スタジアムでサッカーを観たことがない。いつかは観てみたいと思っていたものの、ブンデスリーガ(ドイツ・サッカーリーグ)の試合などは、ファン同士の対立など怖そうなイメージがあるので試合を観戦したことはなかった。試合をしているときにスタジアムの直ぐ横を散歩したり、フェンス越しに観客席を覗き込んだりしたことはあったが、いつもはそこでサッカーの試合があってもテレビで観戦していることが多かった。

ところがこのスタジアムで欧州チャンピオンズリーグ、地元バイエルン・ミュンヘンとフェイエノールト・ロッテルダムが対戦する日付(2001年10月23日)を知ったとき、是非とも観たい気持ちになった。フェイエノールトといえば元浦和レッズの小野選手が所属している。別に僕はレッズファンでも彼のファンでもないが、日本人がプレーするというなら一度観てみたいと思った。僕は今までこのスタジアムどころか日本でも一度も生でサッカー観戦をしたことがない。プロ野球で阪神甲子園球場に何度か足を運んだことがあるくらいだ。

というわけでチケットを買おうと街中にあるチケットセンターに行くと、もう当日券しかないと言われた。当日券は試合開始の一時間前くらいから発売されるらしい。それで僕は試合開始午後8時45分の一時間前にスタジアムへと向かった。お腹が空くと思ったので、おにぎりを作ってお茶を用意した。まるで遠足気分だ。

チケット売り場では列が出来ていたものの、それほど苦労せずにチケットを購入することが出来た。が、場所が良く手頃な価格のを選んだため、座席位置はバイエルン・ミュンヘン側ではなく、フェイエノールト側になった。僕は今までの日記でも書いたが、いつの間にかバイエルン・ミュンヘンを応援するようになっていた。相手チーム側でサッカーを観るのは若干抵抗があったものの反対側から熱狂的なバイエルン・ミュンヘン応援団を観ることが出来るので良しとしようと思った。僕の席は相手チーム側といってもゴール裏の熱狂的なファンがいる場所ではない。サイドの少しだけゴールよりといった感じだろうか。

僕が席を見つけて座ろうとすると、僕の後ろの列の3人組が僕に向かって「ONO! ONO!」と言ってきた。オランダのサッカーリーグはドイツではあまり放送されないが、時々放送され、そのときに「ONO」という名前が出ることもある。個人的には、日本人が活躍しているのはやはり嬉しい。試合開始前、僕はあたりを見回した。僕の座席はフェイエノールト側なので、バイエルンが点数を入れたとき、もし僕が喜んだりでもしたら、周りから文句を言われたりするのではないかという不安があった。実際、そのようなファン同士のいざこざのニュースを何度も耳にしたからだ。

僕の前には髪の毛がもう既に真っ白になっている、おじいさんとおばあさん達がいた。彼らは寒さ対策として座布団を持参していた。試合が終わるのが午後10時半なので、その気候を考えて厚着をしている人が多い。この日は試合が始まる前は雨が降っていなかったものの、途中からは小雨が降る少し肌寒い夜だった。

グランドの方に目をやると審判や選手が入場してきて、セレモニーのようなものが始まった。僕の席の左後方には大きなオーロラヴィジョン(モニタ)があり、そこに選手達がアップで映し出されたりしていた。選手達が散らばり始めたと思っていたら、あっという間に試合開始となった。個人的にはバイエルンに勝って欲しい。勝てばチャンピオンズリーグの1次リーグ突破になる。でも小野選手にも活躍して欲しい。というわけで僕は「小野選手が得点なりアシストなり目立った活躍をするものの、バイエルンが勝利」というシナリオを勝手に作っていた。

僕はテレビでよくサッカー観戦はしていたが実際に生で観ると、テレビではその応援などがあまり聞こえて来ないということに気がついた。試合中は両チームのファンが声を出している。テレビではそこまでハッキリとは聞こえない。僕の後ろにいたフェイエノールトファンの彼らも、ゴール裏で応援しているフェイエノールトファンに声を合わせて応援していた。ゴール裏とは若干距離があるので、彼らの声だけがものすごく目立っていたが。でも両チームのファンが声を上げて応援しているのは面白いと思う。プレーによって片方では歓声が、もう一方では重いため息が聞こえてくる。

応援に気を取られているうちにバイエルンに点数が入った。僕の周りにいた人達は、前のおじいさんを含めて一斉に立ち上がって歓声をあげた。どうやら僕の周りはほとんどバイエルンファンのようだ。テレビと違って生で観ていると点数が入ったときの歓声を全身で体験できるのも面白いと思った。しばらくすると今度はフェイエノールトの選手がシュートを決めた。僕の後ろの人達や数列前の人達が今度は立ち上がって喜んだ。僕が座っているブロックは両チームのファンが座っているようだ。見た感じとしてはバイエルンの方が多い気もした。(当日の入場者は40000万人、スタジアムは78000人収容)

試合を見ていて一番面白いと感じたのは後半の試合終了直前だ。2対1でバイエルンがリードしている。どちらも一点が欲しいところだ。そのときの雰囲気としてはフェイエノールトが押しているように見えたが、バイエルンのゴールキーパー、カーン選手の好セーブに阻まれていた。そのボールが一気にフェイエノールトのゴール前にパスが通ったとき、僕には一番面白く感じられた。僕の周りにいた人達は、パスが通った瞬間、まるで打ち合わせでもしていたかのように一斉に立ち上がったのだ。そしてシュートが決まった。そのときの歓声が一番凄かったと思う。あっという間の出来事だったが、まるでスローモーションを観ているように感じられた。

試合は結局バイエルンが勝ったので個人的には非常に嬉しかった。90分の試合は思った以上に早く感じられた。雨が降っているのも忘れるくらい試合に見入っていたようだ。生まれて初めて生でサッカー観戦をしたが個人的には非常に面白く、欧州チャンピオンズリーグ、バイエルンが昨年優勝したときのように勝ち上がっていくなら、またここで観てみたいという気持ちにもなった。家に帰ると放送権か放送枠の問題かよくわからないが、今行われた試合が放送されていた。結果を知っているにもかかわらず、バイエルンのゴール前にフェイエノールトの選手が攻めてくると、思わず「あぶないっ!」と思ったりした。

ところで話は大きく変わるが、2001年10月21日(日)、ミュンヘンではある住民投票が行われた。内容はミュンヘンに新たなサッカースタジアムを作るかどうかということだ。場所は候補地の中から既に選ばれ決まっていたのだが、実際に建設するべきかどうか住民に問うかたちとなった。結果は約7割の賛成票で新たなスタジアムをミュンヘン郊外に建設するということになった。このスタジアムは2006年のサッカーワールドカップ・ドイツ大会で使用されるということだ。またブンデスリーガ1部リーグのバイエルン・ミュンヘンと1860ミュンヘンの本拠地にもなるらしい。個人的に、出来ればその新スタジアムでドイツ対日本というサッカーも観てみたいと思った。

試合前

試合前

 

試合前

試合前

 

開会セレモニー

開会セレモニー

 

モニタ

モニタ

 

応援席

応援席
 

 

フェイエノールトの応援席

ゴール裏のフェイエノールトの応援席
掲示板には見にくいが「14 ONO」の名前も

 

試合

試合

 

試合

試合

 

ゴールが決まった後

ゴールが決まった後

 

試合終了後

試合終了後

 

スタジアム

スタジアム

 

結果

結果

 

(2001年10月24日)

 

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