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日記 トラムパーティー |
| 先日、ある日系企業に勤めている友人から「秋（の季節）生まれの人の合同お誕生日会」というパーティーの招待を受けた。僕は秋生まれではないが、その友人が秋生まれだった。場所は貸し切りの路面電車内で、すなわち「トラムパーティー」というものだった。ミュンヘンの街中にはトラム（路面電車）が走っているが、時々貸し切りのトラムが市内を走っているのを目撃する。その貸し切りパーティー用トラムは旧型のものが利用され、窓などには色々飾り付けがなされている。そのようなトラムに一度乗ってみたいと思っていたので、僕は有り難く招待を受けることにした。で、そのトラムはミュンヘン東駅を出発し、ミュンヘン市内を周りシャイドプラッツという場所でトイレ休憩があり、そこから最初とは別の路線を通って東駅まで戻るという約2時間コースだった。 僕は参加費などを心配したが別に招待された友人に伺うと、詳しくは分からないがそれらは全て、招待していただいた日系企業持ちと言うことだった。聞いてみると大人子供あわせて約80人来ると言うことだ。ほとんどがその企業の人達らしい。僕は他に親しい人はいないが、2時間だし、どうにかなるだろうと、そのパーティーが行われる2001年11月18日（日）友人達と集合場所のミュンヘン東駅へと向かった。食べ物と飲み物は各自持参だったので、それらと友人へのプレゼントを持って集合場所へと向かったのだが、そこには既にそれらしき日本人の方々の姿があった。 気温はその日4度いうことだったが風が冷たく、もっと低く感じられる。しばらくそこで待っていると、カンカンと音を鳴らして、2両編成の旧型トラムが目の前にやってきた。街中で見たように飾り付けがなされている。トラムのドアが開くと、みんな一斉に近くのドアからトラムに乗り始めた。ほとんどの人は後ろのドアから乗ろうとしていたので、混雑を避け、僕と友人達は前から乗った。と、同時にその企業で働いていると思われる人達が同じ前のドアから乗り込んできた。前から乗ってきた彼らは日本人ではなく、ドイツ人かイギリス人か、とにかく外国人の集団だった。トラムはカンカンと音を鳴らし、いきなり動き出した。このトラム、前の車両には主に外国人が、後ろの車両に日本人が乗っていた。僕と友人達（日本人）は何だか離れ小島にいるような感じだった。 食べ物や飲み物は各自持っているので、僕たちはそれらを食べながらトラムの中の雰囲気を楽しんでいた。日本人の方々は家族で来られている方が多いらしく、お鮨や料理を作ってきておられた。僕たちはそれらも美味しくいただきながら、外の風景や街ゆく人がこちらを物珍しそうに見るのを窓から眺めていた。狭いトラムの中、盛り上がっている人達の熱気で窓は一気に曇り始めた。トラムは普通に使われている路線を走るわけだから、ダイヤを乱さないようゆっくり走ったり、速く走ったりしていた。平均的には思った以上に速く走っていたが。 トラムの中はCDラジカセの音楽が車内マイクを通して流れていた。ロック系のものやポケモンなど。僕は後ろの車両の方は分からないが、前の車両、特に外国人の人達はアルコールを飲んでいるせいもあると思うが、かなり盛り上がっている。声も大きい。うるさいのが良いというわけではないが、日本人よりもパーティー慣れしているような感じで、楽しんでいるというのが伝わってくる。いつも思うが、このような外国人（例えばドイツ人）のパーティー感みたいなものを、日本人は一般的に持っていないような気もする。日本人には日本人の、ドイツ人にはドイツ人の楽しみ方があるので、どちらが良いとか言うことではない。ただドイツ人などの方が自分の感情を表に出すのが一般的に日本人より上手い気がする。ところでトラムは時間あわせのためか時々徐行したりする。そんなとき窓の外を見ると、おばさんがこちらに向かって笑顔で手を振っている。このおばさんに対してトラムの中の外国人の人達も盛り上がって応えている。おばさんは、まるで火に油を注いだみたいだ。 と、そうこうしているうちに、あっという間に予定の2時間は終わってしまった。思った以上に早く時間が過ぎた感じだ。終わる直前にトラムの中でマイクを使って「お誕生日の方は誰それです」と数人紹介されていた。このような貸し切りトラムでのパーティー、普段は滅多に体験できないと思うので、その方達も思い出に残るものだったと思う。僕個人的にも珍しく、面白いパーティーだったと思う。このようなイベントに招待していただいて、友人には改めてお礼が言いたい。どうもありがとうございます。お誕生日おめでとうございます。 |
