やまねこの物語

日記 トヨタカップ

サッカー・トヨタカップといえば世界一のサッカークラブチームを決める試合ということで、あまりサッカーファンでない僕でもその名前は知っている。この試合は世界の頂点を決める試合で、また世界最高のプレーを間近で観ることが出来るということで開催地である日本ではかなり盛り上がっている。少なくとも僕が知っている限りではそうだ。そのトヨタカップに2001年ヨーロッパチャンピオンになったドイツのバイエルン・ミュンヘンが出るということで僕自身も大変関心があった。

トヨタカップについて僕は詳しくは知らないが、ヨーロッパ一のチームと南米一のチームが世界一をかけて戦うということだ。以前は両チームのホーム・アンド・アウェー方式だったらしいが、以前の大会「インターコンチネンタルカップ」が「トヨタカップ」と名前を変えてから中立の日本でやるということになったらしい。今年2001年のトヨタカップはバイエルン・ミュンヘンと南米代表ボカ・ジュニアーズの試合で、そのボカには日本人選手も所属しているということもあって、日本国内ではかなり関心が高いと聞いた。

というわけで11月27日、僕もバイエルン・ミュンヘンが出るその試合をテレビで応援することにした。日本とドイツ、時差は8時間あるので日本の夜の試合が、ドイツでは午前中に生放送される。ところで以前からテレビガイドなどを見ていて気になったことがある。このトヨタカップの名称が、テレビガイドやテレビのニュース、新聞でも「トヨタカップ」という名前は何処にもなく、単に「世界カップ」のような感じで報じられている。企業名が付いているから出さないのか僕にはよく分からないが、とにかく「トヨタ」の文字がない。

といっても名称がどうであれ、世界一を決める試合には変わりないので、僕は午前中テレビでバイエルン・ミュンヘンを応援していた。試合は延長戦の末、バイエルン・ミュンヘンが1-0で勝った。試合終了直後、色々なチャンネルを見てみたが N-TV というニュース専門チャンネルだけが「バイエルン世界一」という速報を流していただけで、それ以外のチャンネルでは速報など見られなかった。ミュンヘンの放送局 TVミュンヘンやバイエルン放送でもなかった。夕方に始まるニュースも色々チャンネルを変えて見ていたが、どこもトップでは扱っていなかった。アフガニスタン問題があるのでそれどころではないのだろう。TVミュンヘンや、その他ミュンヘンから放送している番組でもトップニュースはサッカーではなかった。バイエルン世界一のニュースはどの番組でも、スポーツコーナーだけで取り上げられているといった感じだった。

チャンピオンズリーグ優勝の時はクラクションを鳴らす車や翌日号外が配られたりして、街中盛り上がっていたといった感じだったが、今回は特にそれらもなかった。号外など、もしかすると僕が知らないだけかもしれないが、街中ではそれを持っている人など見受けられなかった。トヨタカップ、僕個人が感じたのでは、ミュンヘンのチームが出ているにもかかわらず、どこか盛り上がりに欠けるといった感じだった。実際のところ、チャンピオンズリーグはもう次のシーズンが始まっているし、ドイツリーグの試合も始まっている。今回の試合はその合間をぬって強行出場したといった感じがある。難しいとは思うがチャンピオンズリーグ優勝直後にトヨタカップが開催されていれば、もっと盛り上がっていたのではないだろうか。

放送時間もドイツの午前中ということで、テレビでも応援できる人は少なかったと思う。放送時間がドイツ時間の夜ならまた違ったかもしれない。ビールを飲みながら応援していた人もいるだろうし、もしかするとオリンピアスタジアムで中継されていたかもしれない。今回の試合、その試合が始まる数日前から南米の方ではかなり盛り上がっていたと聞いた。日本でも同じく盛り上がっていたと。なのに試合前、ミュンヘンではそれほど盛り上がっていたとは感じられない。かなりの温度差がある。でもとにかくバイエルン・ミュンヘンが世界一のクラブチームになったということには変わりない。おめでとうございます。もしかすると後日、そのセレモニーなどあるかもしれない。あればまた覗いてみたいと思う。

ところで今回、バイエルンが勝った試合後、選手が色々インタビューされていた。ドイツ人選手だけでなく、イギリス人、ガーナ人、ブラジル人など。その誰もがドイツ語で質問されドイツ語で答えていた。一般的に日本で何かのスポーツで外国人が活躍すると、その外国人の言葉に通訳して質問などされることが多いと思う。滞在期間の違いなどもあると思うので簡単には比べられないが、今回のインタビューは外国人も皆ドイツ語ということで印象に残った。もしかするとバイエルン・ミュンヘン側がお金をかけてチームにいる外国人のドイツ語訓練などをしているのかもしれないが、一つのチームではやはり同じ一つの言葉の方がチームはまとまりやすくなるだろうし、戦術的にもいいと思う。そんなところにチームの強さがあるのかも知れない。バイエルン・ミュンヘンの全ての外国人がドイツ語を話せるかどうか、僕には分からないが、サッカー選手はサッカーだけをやっていれば良いというわけではなさそうだ。選手は試合で使ってもらうには、やはり言葉のコミュニケ−ションが不可欠だし、また外国人同士の競争もあるかもしれない。そんなことを考えていると、僕ももっとドイツ語を頑張らなければと思った。

(2001年11月28日)

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