やまねこの物語

日記 お水
先日、夕食を摂るためにレストランへ入った。驚いたことにその店には日本語のメニューがあった。最近は日本人観光客が増えて日本語メニューを出す店があるらしい。(ドイツでメニューというと定食のことだが、ここでは日本でいうメニュー、食事リストのこと。)そのとき、飲み物のページに“Apfelschorle アプフェルショーレ (アップルジュースの水割り)”と書いてあった。別に間違った表現ではないが、何か不思議な感じがした。確かにアップルジュースの水割りではあるが、これだとアップルジュースを水で薄めた飲み物と思ってしまうかもしれない。正確にはそのような感じではない。

ドイツで「水(飲料水)」というと普通は炭酸水のことである。日本のような滑らかな(?)水は「ガスなしのミネラルウォーター」として売られている。だからアップルジュースの水割りといっても炭酸水で割ってあるので、水で薄めてあるアップルジュースというよりは炭酸アップルといった感じである。それ故どちらかというと、コーラやファンタに近い。ちなみに僕はレストランに入ったとき、よくこのアプフェルショーレを注文する。さっぱりしていて美味しい。アップル以外にもオレンジなど様々な種類のショーレがある。

日本で、他の場所はよく知らないが、僕の実家がある滋賀県では水道水を飲むことが出来る。ドイツでは水道水はまず飲むことが出来ない。というのは、カルキの量がすごく多いのである。だから普通、水道水を飲むときは水をこして飲まなければならない。それ故どこの家にも水をこすための簡単な浄水器のようなものがある。たいてい、ポットのような形をしている。このポットのようなものの中にカルキを取り除く活性炭の入った円柱型のものを入れる。この円柱型のものは約一ヶ月間効果があり、大きなデパートや薬局で買うことが出来る。で、それが入ったポットの中に水道水を入れておくと数分で水がこされる。

ミュンヘンの水道水をそのままこさないで沸騰させると、お鍋の底は真っ白になり、上の方には何か浮いて膜が張っている。そのようなままで飲むと、コーヒーの中にイガイガが残ったり、お茶の味がおかしかったり、また体にも良くない。何年もとり続けていると体内に蓄積されて、歳取ってから体、特に膝が悪くなるらしい。それ故みんな手間がかかるにもかかわらず水をこしている。料理、例えば、スープなどは必ず、このこした水を使う。米を炊くときもそうである。食器を洗うときは普通に水道水で洗う。

それから台所や洗面所などの水周りもこまめに掃除しないとカルキがたまってしまう。一度固まるとなかなか取ることが出来ない。だからちゃんと定期的に掃除をしなければならない。

ドイツは日本より乾燥しているので、特に寝ているとき喉が渇く。普通は寝る前にお茶などを沸かしておく。寝る前にちゃんと飲み水を作っておかなければならない。

(2000年1月15日)
 
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