やまねこの物語

日記 サッカー・ワールドカップ

「暑い!非常に暑い!」先日、ある放送がこの言葉から始まった。サッカー・ワールドカップが行われている日本や韓国ではなく、ドイツが暑いのだ。ワールドカップが行われている2002年6月中旬、ドイツは観測史上最も暑い6月となった。コブレンツという街では39.4度を記録しミュンヘンでも35度となった。またドイツとしては珍しく湿度が非常に高く、数日間は文字通り「非常に暑い」日が続いた。あるスーパーでは扇風機が売り切れ、在庫もなくなったそうだ。またビールの売り上げも(予想では)例年をはるかに越える記録になるかも知れないとのこと。

だがビールが売れているのはその暑さだけではない。ワールドカップでドイツが勝っているのだ(次戦は決勝戦)。多くの人が祝杯を挙げるためにビールの消費量が伸びている(かもしれない)そうだ。

ところで今回のワールドカップ、テレビ中継に関してはドイツでは一日に一試合しか生中継されない。有料放送局では全試合生中継されるが、普通一般の放送局(ARD<第一放送>かZDF<第二放送>のどちらか)で一日に一試合生中継されるだけである(ドイツ戦があるときはドイツ戦のみ)。また開催が日本と韓国なので時差が7時間あり、ドイツでは午前8時半か午後1時半から生中継された。隣の国オーストリアでも状況は同じようでORF1<オーストリア第一放送>で一日一試合だけが生放送される。ミュンヘンではドイツと、若干映りは悪いがそのオーストリアの放送局の映像が入るので、運が良ければ一日に2試合生放送で観ることが出来る。(逆にドイツとオーストリアが同じ試合を中継するということもありえるが。)一次リーグは一日に最大4試合行われた日もあったが、一試合だけしか生中継されないので、僕個人は日本戦全てを生で観るということは難しかった(もちろん、ドイツ戦は全て生中継された)。

遠く離れた場所で行われる大会なので、ほとんどのドイツ人は物価の高い日本に行くのではなく、テレビの前で応援していたようだ。ドイツ戦の放送が午前8時半からあるときは、前日のテレビなどで「明日のドイツの応援のために、夜更かしをしないようにしましょう」と放送されていた。ドイツ戦のある日は、多くのドイツ人は何をするにも手が着かず、テレビの前から動かなかったというようなことが報道されていた。広場など人が集まる場所には大きなテレビモニタが設置され、街によっては1万人以上の人が集まって応援していたようだ。

試合の放送時間が夜ではなく、午前中やお昼過ぎだったので、家ではなく、学校や職場で仲間と共に応援していた人が多かったようだ。また学校や駅、役所だけなく、証券取引所や議会でも生中継されほとんどの人が観戦していたようだ。そういえば決勝戦が行われる横浜にはドイツ連邦首相シュレーダー(与党・ドイツ社会民主党)も観戦しに行くとニュースで報道されていた。

次の2006年のワールドカップはドイツで行われるので、決勝戦はドイツのラウ大統領だけがドイツの代表として観戦する予定だったが、そこにシュレーダーも加わることになったため、9月の総選挙で最大野党(キリスト教民主・社会同盟)首相候補のシュトイバー(現バイエルン州首相)も横浜入りすると報道されていた。

ところでワールドカップはドイツ語で Weltmeisterschaft ヴェルトマイスターシャフト で、略して WM ヴェーエム と呼ばれたり記載されたりする。テレビだけでなく街中でもよくこの WM を目にする。新聞や雑誌でも WM について特集や色々な分析がなされていた。またこの時期、日本や韓国に対する関心も高くなり、テレビ番組でも会場の街だけでなく、文化や伝統を紹介していた。あるファーストフードのお店でも日本週間、韓国週間メニューというようなキャンペーンをやっていたり、新聞や雑誌などでもサッカーだけでなく日本や韓国について色々と特集が組まれたりしていた。

そういえばドイツ戦のあった日や翌日など、ビアガーデンに行くとドイツの試合に関する新聞が積まれてあり無料で取っていくことが出来た。ドイツが勝った日などは街の中心部レオポルト通りが歩行者天国になり、多くの人が騒いでいたようだ。またドイツにはトルコ人も多く、トルコが勝った日もこの通りは歩行者天国となっていた。いずれにしても6月30日のブラジルとの決勝戦、ドイツには是非勝って優勝して欲しいものだ。僕自身もビールの売り上げに貢献しているかも知れない。

Bild紙の広告看板

Bild紙の広告看板

 

ポストカード

ポストカード

 

新聞

新聞
ビアガーデンに積まれてあり無料で持っていくことが出来る

 

雑誌の一ページ

雑誌の一ページ

 

洋服店

お店にも「WM」の文字が

 

 

(2002年06月27日)

 

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