やまねこの物語

日記 第一回ミュンヘン建築週間

ドイツでは一般的に学校(小学校から大学)が夏休みになる時期は州によって異なる。バイエルンの多くの学校が夏休みになった7月、ミュンヘンでも様々なイヴェントが催されている。屋外のコンサート、オペラ、映画や様々なパレードなど。その中で個人的に非常に興味のあるイヴェントがあった。今年2002年が第一回目で『ミュンヘン建築週間』(期間は7月12日から21日まで)と題された催しだ。場所はミュンヘン市内全般。つまりミュンヘンの街中にあるもの、建物や庭園などを見て街を再発見してみようというものだ。

この期間中、様々な場所でミュンヘンの街の建築について色々な展示や講義、ディスカッション、見学(説明)ツアー、コンサートのようなものが行われた。また夜間には、ある建物の照明の色を変化させるなど夜間のみ行われる展示もあった。オブジェも置かれ、街そのものが博物館の展示室といった感じだろうか。見学ツアーも、例えばミュンヘンの水道施設、シュヴァービング地区のユーゲントシュティール、第三帝国下の建築など参加費の必要なものから無料のものまであり、また飲食しながらの軽い気持ちで参加できる?ディスカッションや「これからのミュンヘン建築について」など本格的な議論もあった。

今回の『建築週間』の中心地の一つは新市庁舎裏方面に位置する建物(アルターホーフ)の2階だった。新市庁舎建物裏のマリエンホーフからは今回のイヴェントに合わせて特別に橋がかけられ、建物の階段を使わずに直接2階に入れるようになっていた(もちろん、普通に階段を使っても入ることが出来る)。ここでは建築に関する色々な展示、例えば壁の材質、屋根、花崗岩を使ったオブジェなど身近なものから、スタジアムなどの大きな建造物についての説明がなされてあった。また他の部屋ではパリ、東京、ロンドン、香港、ベルリンの街の建築の移り変わりに関するフィルムが上演されていた。

今回のイヴェントに関する小冊子は街の何カ所かで手に入れることが出来たようだが、それと一緒に地図も配られていた。これには何処で何があるのか記載されてあるのだが、普段何気なく目にしているものが今回のイヴェントで紹介されていて、普段とは違った角度で建物を見ることが出来たり、また地図を見ながら歩くと自分が未だ知らなかったミュンヘンを「発見」することが出来、今回のミュンヘンの街を使ったイヴェントは非常に面白いと思った。このイヴェントは今回が第一回目だが、これからも続けられていくだろう。街も徐々に変わっているので新たな「ミュンヘン」が生まれるかも知れない。今自分の見ている建物などが、数十年、数百年後には『当時』と紹介されているかも知れないと思うと時の移り変わりの儚さを感じるが、その時にはどのような建築があるか、ミュンヘンがどのような街になっているか、考えてみるのもまた非常に面白い。

ディーナー通り

ディーナー通り

 

橋

 

橋

 

マリエンホーフ

マリエンホーフ

 

展示室

展示室

 

展示室

展示室

 

展示室

展示室 

 

展示室

展示室

 

展示室

展示室

 

 

(2002年07月25日)

 

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