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| 日記 爽やかな風 | 
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 僕たちが展望台に出るドアを開けると、そこには非常に心地よい爽やかな風が吹いていた。気温も暑すぎず、少なくとも自分には非常に気持ちが良く感じられた。夕方6時過ぎに登ったのだが、展望台には、すれ違うのも難しいくらいに人がいて、最初は同じ場所でじっとしていた。「その場所から動かなかった」というのは、人が多かったというのもあるが、それ以上におそらく自分は風を感じたかったのかもしれない。その風は強すぎず、非常に優しく感じた。 マリエン広場方面に立ったとき、何処からか風に乗ってヴァイオリンの奏でる音楽が聞こえてきた。おそらく街頭で誰かが演奏しているのだろう。またその日はオリンピックスタジアムでサッカーの試合があったので、下の方からサッカーファンが騒いでいる声なども聞こえていた。しかし下から聞こえてくるそれらの音は、喧騒感もなく何処か平和的に感じた。 気付けば向かいに建つ新市庁舎の建物や広場中央に立つマリエンゾイレの影も随分と長くなっている。非常にゆっくりと塔の展望台を一周した。おそらく一時間近く(少なくとも30分以上)塔の上にいただろうか。そういえばミュンヘンに一時期住んでいた詩人ハインリヒ・ハイネ(1797-1856)のことを思い出した。彼はミュンヘンに引っ越ししてきて、その気候に慣れるのに非常に多くの時間を費やした。僕が体験したその爽やかな風を、彼は感じることが出来たのだろうか。 上の聖ペーター教会の塔の写真は2002年6月19日、新市庁舎の塔から撮影 | 
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| (2002年08月21日) | 
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