日記 花火 |
花火といえば日本の夏の風物詩の一つである。真夏の夜の花火大会など、暑い中、うちわであおぎながら様々に彩られた夜空を見上げたり、また友人たちと、例えば公園などで線香花火などをするのも非常に雰囲気があっていい。花火のない日本の夏は考えられないというくらい、花火は日本人にとって身近なものと言える。そういえば韓国では、街によっても違うが、一般的にはあまり花火をしないと聞いた。打ち上げ花火だけでなく、線香花火なども少ないらしい。 ドイツでも日本のように身近に花火があるわけではない。特に個人でするもの、つまり線香花火などはほとんど見かけない。僕は詳しくは分からないが、聞けば花火や爆竹をして良いのは大晦日と正月だけと法律で決められているらしい。よって夏でも公園などで花火をしている人の姿を見かけることはない。しかし、その分、大晦日の夜、日本では考えられないくらいの数の花火が上げられる。高層マンションや丘の上など少し高いところから街を見ると、地平線近くが花火で埋まっているといった感じになる。ドイツで花火というと夏ではなく大晦日のイメージが強いかも知れない。 といっても夏にも日本のような打ち上げ花火を上げる花火大会が、(街によっても様々だが)数回ある。ただドイツの夏は暗くなるのが遅いので、打ち上げ開始時間も午後10時や午後11時前後だったりする。しかも日本のように長時間ではなく、(僕が体験したものは、ほとんど)15分前後で終了する。規模も日本のものに比べると小さく、例えば「ナイアガラ」といった大規模なものは僕は見たことがない。でも時間が短くても、花火大会と聞けばつい足を運びたくなる。 先日もミュンヘンのオリンピック公園で開催されている夏フェスト Sommerfest のプログラムの一つとして花火大会があった。時間は午後10時から。僕は午後9時過ぎにオリンピック公園に行き、10時まで夏フェストの遊戯施設などを見て歩いていた。10時前になり花火会場である湖近くに行くと、そこはもう既に人が溢れていて、しかも背の高い人が多く、また子供を肩車している人も多かったので自分が良いと思った場所を見付けるのに非常に苦労した。 ところで今回の花火大会、僕は友人と見に行ったのだが、打ち上げが始まる前、友人はその夜のフェストの雰囲気を色々と撮影しているだけでフィルム一本を撮り終えてしまった(友人のカメラはデジタルカメラではなく、普通のカメラ)。しかし普段から数本予備を持ち歩いているそうで、直ぐにその場で新しいフィルムをカメラにセットしていた。が、何を思ったか数本の中から友人が選んだフィルムは白黒フィルムだった。聞けば、お店の人に「これを使うと夏の風景がロマンチックに撮影できる」と勧められたとのこと。 午後10時、あたりの照明が一斉に消え、開始合図の花火が上げられた。そこから数十秒後、一斉に色々な色の花火が打ち上げられた。僕の後ろには子供を肩車した人がいて親子で「赤色!次は緑色!一杯色がある。綺麗!!」といった風に歓声を上げていた。僕の友人も同じように歓声を上げながらシャッターを切っていた。ロマンチックに写っているであろう、そのフィルムはまだ現像に出されていない(らしい)。
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(2002年08月24日) |
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