やまねこの物語

日記 住民登録と在留届
ドイツに住むことが決まったら、まずやらなければいけないことがある。ドイツの役所への住民登録と在外公館、(バイエルン州の場合はミュンヘンにある日本国総領事館)への在留届だ。でも僕はそのようなことを知らなかった。住民登録は、引っ越しなどで住所が変わる人、皆がすることである。だから外国人だけでなく、ドイツ人もしなければならない。しかもそれは、新居入居後、一週間以内になされなければならない。僕は全くそのようなことを知らなかったから、当然、一週間以内に出来なかった。結局年末の、つまりクリスマスの直前に行った。

ミュンヘンでの住民登録はミュンヘン市行政管理局 Kreisverwaltungsrefarat の中にある住民登録局 Einwohnermeldamt に行かなければならない。行き方は、地下鉄 U3 か U6 で Poccistr. で下車。駅を出たら目の前の建物にある。基本的に午前中だけ開いている。(週一日だけ午後もやっている。)この役所、普段の日はものすごい数の人らしい。午前中に受付を済ましても、自分の番が回ってくるのは午後2時や3時だったりする。だから結局丸一日つぶれる感じになるそうだ。受付は、受付と言っても自分の名字の札がある場所にある、番号札をとるだけ。日本での銀行や郵便局みたいに。それで、ドアの前にある電光掲示板が今、作業をしている人の番号を示してくれる。それから自分の番を待つ。これに時間がかかるのだ。

で、話はもどって、順番待ちで結構丸一日つぶれたりするそうだから、僕は午前8時頃に行った。でも考えてみると年末押し迫ったとき、クリスマスの時期に引っ越ししてくる人は、そんなにいないと思う。だから待ち時間はほとんどなかった。僕の名前(名字)は、やまねこ Yamaneko だから "Y" の札の下がった部屋に行かなければならない。でも僕は、そのことも知らなかった。だからどこに行っていいか分からず、次のように思った。僕は日本人 Japaner だから "J" の札のところに行けばいいんだ!というわけで、"J" の部屋を探した。人が少なかったのであっと言う間に自分の番になって、部屋に入って自分の名前を言うと「あなたはここじゃございません!!」と言われ、その時に名字のところに行くのだと教えられた。

それから自分の名字のところに行って、部屋の前にある申込書に必要事項を記入した。これは名前、生年月日、新住所、旧住所、電話番号などを書くだけで簡単に終わる。分からないところは空欄にしておくと受付の人がちゃんと教えてくれる。そういえば、本当は一週間以内にこの手続きをしなければならないのに、僕はしていなかったから当然怒られると思っていた。でもドイツへ入国した日を言っても、何も怒られなかった。良かった。そんなこんなで、あっという間に住民登録が終わってしまった。結局30分ぐらいで終わってしまったのはないだろうか。

それからもう一つ、ミュンヘンにある日本国総領事館 Das Japanische Generalkonsulat Muenchen への在留届が必要だ。行き方は地下鉄 U4 で Prinzregentenplatz 下車。地上に出ると大きな劇場 Prinzregententheater が目に入る。その横に黒いガラス張りの建物の中に領事館はある。でもここでは簡単。なんといっても日本語が通じるから困りはしない。ここでは受付で「在留届を書きたい!」と言えばその用紙をくれる。必要事項を記入して提出するだけで終わり。

でも驚いたことに、その記入事項の一つに「e-mail」というのがあった。以前だとそんなことはないと思う。(特に日本人の)インターネット普及率はすごいなと感心した。パソコンがあってインターネットに接続できると、例えば日本にいる家族や友人とメール交換できる。日本の情報もすぐに入ってくる。便利な世の中だ。今と違って数年前だと、ほとんどの人がパソコンを持っていない。当然、日本にいる人との連絡は電話や手紙だ。電話代は安くないし、手紙は手間がかかるし、ってなことを言っていると、日本語を見る回数も減ってきて、日本語に飢えるかもしれない。あー、日本語が見たい!って。そんなことを考えると、今は大変便利な世の中で、日本人が海外で生活することが以前より難しくなくなったと思う。外に出やすくなった。
日本国総領事館の入っている建物 日本国総領事館の入っている建物。ここに在留届を出さなければならない。
 (2000年1月23日 ・ 2月3日写真追加)
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