やまねこの物語

日記 女性の進出

注)タイトルは「女性の進出」となっていますが、ここでは「女性が」「男性が」と言いたいのはなく、単に事実的なことを書いているだけです。

テレビを付けると連邦議会の模様がニュースで報道されていた。シュレーダー首相(ドイツ社会民主党<SPD>)と同じように熱弁を振るっていたのは最大野党キリスト教民主同盟(CDU)党首のメルケル女史だ。彼女だけでなく映像を見ていると議場には多くの女性議員が座っている。見てみるとドイツ連邦議会の議員のうち4人に1人が女性議員である。これは政治面において女性が進出しているということであるが、その数に関して社会民主党と連立与党を組む、緑の党が少しは影響している。というのは緑の党の比例代表候補者リストは、女男女男女と続いていくので、当選者のその半数は必ず女性になるというものである。(緑の党が連邦議会で初めて議席を得たのは1983年)

ところで以前シュテルン誌で「ドイツで史上初めて女性大統領の誕生が有力」といった内容の記事があった。これはシュレーダー首相が、2004年5月で任期の切れるヨハネス・ラウ大統領の後任として社会民主党のシュミット下院副議長を推しているということだ。同時に同党内では女性であるシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州首相や元憲法裁判所長の名前が挙がっている。最大野党のキリスト教民主同盟も女性であるフランクフルト市長を推してるらしい。これらの情勢は変わっているかも知れないが、いずれにせよ女性を国家の代表とするということに抵抗意識がないように感じられる。有権者、というより、この世の半分は女性なので、女性がその地位についても全く不思議なことではない。

また政治だけでなく様々な分野で女性が進出している。先日もシュピーゲル誌に以下の記事を見付けた。「ドイツの大学の新入生、その数において初めて女性が男性を上回る」といったものである。2002年現在ドイツの学生数は約1.940.000人で今年の新入生の数は358.000人。そのうち女性は180.000人、つまり半数以上である。数字を見ただけだが、女性が以前より、社会進出、意見を言える場を求めているのかも知れない。女性が多くの分野に進出すると、今後は男性が家事、子供教育に携わることも多くなるだろう。男性の家庭への進出である。今現在、女性が多く携わっている仕事に男性が、男性が多く携わっている仕事に女性が進出することで、より幅広い意見が出され、今後はより大きな社会的変革がもたらされるだろう。


(2002年12月05日)

 

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