やまねこの物語

日記 レープクーヘン

レープクーヘン、これは主にクリスマス前に焼かれるドイツの伝統的な焼き菓子である。ニュルンベルクに有名なお店があるが、各家庭にも伝統の作り方があると聞いた。このお菓子は砂糖がまだ簡単に手に入らない時代に蜂蜜や果物を使って作られていたらしく、また中世には修道院や教会で信者に対して配られてもいたらしい。蜂蜜や色々な調味料を使って作られるこのお菓子の名前の由来は、ドイツの辞書には中世ドイツ語でパンの意味を持つ単語から『パンのようなお菓子』という意味と、健康に良い様々な材料からこれが作られることから、生命をみなぎらせる力があり『生命のお菓子』と呼ばれていたという説明がある。いずれにしてもその歴史は古い。

先日、友人のところでこのレープクーヘンの作り方を教えてもらう機会に恵まれた。その友人の(友人曰く)「ドイツでの母親」的存在の方(バイエルン人)が教えてくださるとのこと。この方はその作り方を10年続けておられるらしい。当日はこの方がある程度まで家で用意をされてこられたので、僕や友人が訪れたときは、準備をする必要がなく作るところから教えていただいた。簡単に書くと、材料を混ぜ、オブラートに塗って焼き、チョコレートでコーティーングし、アーモンドなどで飾り付けをするというものだ。想像していた以上に簡単である。簡単が故、各家庭で何世代も受け継がれ伝統的なお菓子になっているのだろう。その日はチョコレートが乾かなかったので、持って帰ることが出来ず後日いただいたが、僕も友人も初めてレープクーヘンを焼いたので、それは面白い体験だった。

教えていただいた方からレシピもいただいたので、一緒に行った友人と、もう一度作ろうということになった。今回は自分たちで材料を揃え、作る前の準備もしなければならない。というわけで友人たちとクリスマスの日にレープクーヘンパーティーをしようということになった。準備の際、一部の材料を擦る作業が若干力仕事ではあったが、前回教えていただいた時と同じように上手く焼くことが出来た。焼き加減(時間)がオーブンなどによって時間が変わってくるので、そのことだけを意識したが、それ以外では今回も簡単に作業することが出来た。チョコレートの固まる時間も何故か前回より早く、夜にはみんなで分けることが出来た。このお菓子、もちろん一人で全ての作業をすることも可能だと思うが、何人かで協力して作る方が効率的にも良い。またそれ以上に楽しい作業である。このページの上で、レープクーヘンは「材料」的に『生命のお菓子』と呼ばれたと書いたが、友人たちと一緒に協力して焼くという点で、楽しく自分が活き活きとするということもあり得る。そのような意味でも『生命のお菓子』かも知れない。

レープクーヘン

レープクーヘン

レープクーヘン

レープクーヘン

レープクーヘン

レープクーヘン

 

 

・左と上の2枚の写真は、レープクーヘンの焼き方を教えていただいた際の写真。

左上 オブラートに材料を塗ったところ。

 左上のものが焼き上がったところ。

 チョコレートを塗り、アーモンドなどでコーティング。

レープクーヘン

レープクーヘン

 

 

・左と下の2枚の写真は、クリスマスの日の写真。

 オーブンの中。鹿角塩を使うのでよく膨らむ。この塩は一体何かと友人たちと話していて調べてみると、膨らまし粉として元々は鹿の角を使っていたとのこと。なめてみたが、友人曰く「腐ったチーズの味」。辛くない。

左下 チョコを塗って飾り付けをしたあと。乾かしている。

 レープクーヘン。

レープクーヘン

レープクーヘン

レープクーヘン

レープクーヘン


(2002年12月28日)

 

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