2004年6月20日(日)にケーニヒ広場で Sting の野外コンサートがあるというので、僕は市創設祭(別ウィンドウで開きます。)を回った後、会場に向かって歩き出した。と言っても僕はチケットを購入して広場内で聴くのではなく、広場側からその音を楽しもうと思った。街中に貼られているポスターを見ると、広場への入場は午後4時半開始となっている。夕方、地下鉄に乗っていると多くの人が広場の駅で降りていた。そういえば前日は同じ場所で
Lenny Kravitz の野外コンサートが行われていたが、その時も地下鉄は人でいっぱいで地上へ上がるエスカレーターも非常に混雑していた。
Sting のコンサートは午後7時半開演だったので、それに合わせて会場へ向かったが、会場周辺にはこれから入場しようという人で溢れていた。ケーニヒ広場周辺の通りは車を通行止めにしていたので、普段、車が走る通りにも多くの人がいて、これから
Sting のコンサートが始まるという興奮や期待が人々の顔には表れていた。
そういえば広場周辺は、外から中が見えないように白いビニールシートで囲いがなされていた。背伸びをしてもジャンプをしても見えない。またステージ正面に当たる場所には巨大な照明器具があり、それがステージへの視界を遮っていた。それから広場周辺には大きな木があって、広場の外からだと、どの方向からもステージは見えないようになっている。
ケーニヒ広場に着いた僕は広場近くの石垣(栄誉堂という建物跡)に登って広場を望んだが、正面には木があり何も見えない。斜めの方向に広場が見え、広場内にいる人々の様子が見えた。そして午後7時半、スピーカーから聞こえていた音が急に大きくなり、オープニングアクトの人の演奏が始まった。その時点でまだ入場していない人も多く、ゲート前にはまだ列が出来ていた。広場の中でも人の移動しているのが、僕の立っているところから分かった。
Sting はまだ出てこない。そこで僕は友人に電話をした。友人はケーニヒ広場の正面に当たるカロリーネン広場でオベリスク台座に腰掛けているとのこと。そこで僕もそちらへ向かうことにした。ところで当日は時々雨が降る天候で、通りにも水たまりが出来、それらはまだ乾いていなかった。それを考えるとケーニヒ広場の芝生は水を含んでいて、立っているのも大変だということが容易に想像された。
オベリスク台座のところで腰掛けている友人を見つけ、僕もその横に腰掛けた。ちょうどその時ケーニヒ広場正面の雲の合間から太陽が姿を見せはじめ、太陽と、雨に濡れてまだ乾ききっていない地面が金色に輝いて眩しかった。午後8時過ぎまでオープニングアクトの人の演奏が続き、その後しばらく休憩のような感じとなった。午後8時半頃、どうやら
Sting が舞台に現れたようだ。歓声と大きな音、低音による振動が伝わってきた。
先にも書いたが広場外からだと、どの方向からもステージを見ることが出来ない。ただカロリーネン広場からだとステージの一部や照明が少し見えた。そこで友人が持っていた双眼鏡を借りるとステージサイドで演奏しているキーボードの人やステージ上の映像を少し見ることが出来、一瞬、動く
Sting も見ることが出来た。ところで僕たちが座っていた台座の所を見回してみるとワインやシャンパンを持って来ている人もいた。舞台は見えないにしても生演奏を聴きながら優雅な時間かも知れない。そういえば僕が最初に立っていた場所にもビール瓶を持ってきている人がいたが、彼らは栓抜きを忘れたようで、通る人に栓抜きを持っているか伺っていた。
午後9時半頃になると急に寒くなってきた。実際の気温は(家に帰って調べると)11度だったが、体感温度はもっと低かった。僕は長袖の服を2枚着ていたが、それでも十分ではなく、指先が本当に冷たく感じられた。また吐く息が流れていくほど風も強く、6月中旬とは思えない気候だった。見上げれば、それまで空を覆っていた雨雲は去り、青空が拡がっていた。
ところで、コンサート終了後、Sting
はどうやって会場をあとにしたのだろうか。ケーニヒ広場周辺は交通整備がなされているので、例えばタクシーなどで移動すると非常に目立ってしまう。また広場なので更衣室などがないが、何処で着替えたのだろうか。目立たないように、ということを考えるとケーニヒ広場に建つ門(プロピュライオン)前に止まっていた大型バスで待機していたと考えるのが妥当である。そういえばその大型バスの写真を撮っている人もいた。しかし友人とも話していたのだが、Sting
はそういった予想を裏切って地下鉄で移動していたらと考えると面白い。
以下の写真は全て2004年6月20日(日)に撮影したもの
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