夏のトルウッドが2004年6月17日(木)から7月11日(日)までオリンピック公園で開催された。以前の日記「Tollwood」(別ウィンドウで開きます)でも書いているが、トルウッドは自然保護や社会問題に目を向けた芸術団体によって1988年に始められたイヴェントで、世界各国から人々が参加する文化祭のようなものである。
2004年の夏のトルウッドは、新聞で「これが夏!トルウッド」と紹介されていたにもかかわらず、悪天候の影響か人出が少ないとニュースで報道されていた。実際に会場を訪れてみると確かに人出が少なく、各国の料理を出すお店の前に置かれた長椅子にも空きが目立っていた。この夏は気温が低い日が多い。下の写真を見てもらえれば分かるが、7月中旬にもかかわらず、コートや長袖を着ている人が多い。同時に半袖の人の姿も目にする。洋服を選ぶのが容易でないほど気候が安定していない。またこの期間中はカラッとした晴れの日が少なく、雨の日が多かった。最終的に今年2004年の夏のトルウッドには約90万人の人が訪れたとのこと。昨年は95万人だったので数字的には減少している。
しかし幾つかのコンサートはチケットが売り切れ、追加のコンサートもなされたとのこと。今年のプログラムを見てみると、Alice
Cooper、James Brown、Vonda Shepard など知った名前もある。ところで、このトルウッドは午前1時まで開催されているが、夜9時を回った後の方が人出が多いように感じられた。お酒を飲むことが出来る場所が多いのも影響しているのだろう。
このトルウッドには様々なアクセサリーや洋服、お茶やハチミツなどの食品を売るお店、マッサージやヘアアート、手相やタロット占いをするお店など、色々なお店が出ている。一体誰が購入するのかと思わせるような民芸品(例えば巨大な太鼓)なども売られていて、色々な国のものを見て回るのも面白い。
食べ物といえばミュンヘン市の創設祭で出ていたような、その場で焼かれるバウムクーヘンのお店があった。このお店では市創設祭と同じく小さく切ったバウムクーヘンが売られており、市創設祭の時と同様、買い求める人の行列が出来ていた。同じく行列が出来るお店といえば、揚げ菓子のお店もそうだった。こちらもバウムクーヘン同様、その場で揚げられているので出来たてのものを食べることが出来る。
ところでお店の中に人集りのある場所があった。盆栽の店だった。お店を覗いてみると、日本で一般的にイメージされるような松などではなく、日本産や中国産の別の木であった。そこで販売されている盆栽は大きくもなく、また値段的にも手頃だったせいか、子供から大人までの多くの人でお店は賑わっていた。彼らは、おそらくドイツ人だと思われる、お店の人に色々と質問を投げかけている。Bonsai、ドイツ語で発音するとボンザイになるが、聞いていると日本語のようにボンサイと発音している人も多い。盆栽は場所を取らず、小さな鉢の空間の中で世界を創っていき、自然と共存することが出来るので老若男女関わりなく人気があるのかも知れない。
トルウッドに一緒に行った友人が幾つかの盆栽を吟味して、その中の一つを購入した。「だから」というわけではないが僕も同じ木を購入した。南中国産で樹齢約5年とのこと。観葉植物を購入する時もそうであるが、購入すると色々な角度から眺めたくなる。トルウッド内のお店で休憩した際、購入した盆栽の写真を撮っていると、後ろのテーブルから盆栽について話しているのが聞こえてきた。自然を好むドイツでは僕が思っている以上に、盆栽の、その知名度があるのかも知れない。シュピーゲル誌に「(トルウッドでは)色々な国の文化を知ることが出来る」と紹介されてあったが、盆栽を通じて自然や環境に対する意識が拡がっていく可能性もあるかも知れない。
おまけ : 僕が購入した盆栽は、僕が命名する前に友人によって「ルートヴィヒ」と名付けられた。しかも「1世」らしい。というわけで僕の記念すべき初盆栽は「ルートヴィヒ1世」となった。大切に育てたい。
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