Wiesn
2004 (1)の続き
オクトーバーフェストはビール祭りとして有名であるが、ビールだけでなく同時に巨大な遊園地も設置される。子供から大人まで楽しむことが出来る様々な遊戯施設がならび、ビアテントではなくこの遊園地で時間を過ごすのも、オクトーバーフェストの一つの楽しみである。ここには所謂絶叫マシンと呼ばれる最新のものや、滑り台、観覧車、射撃やマジックショー、お化け屋敷など非常に伝統的なものまである。
今年2004年、最新のものとしては
Cyber-Space と名前の付いた巨大な振り子の施設があった。これは高さ50メートルの高さから最高時速100キロで真っ逆さまに落ちるというもので、一度に僅か8人しか乗ることが出来ないため、約1時間待ちの行列が出来ている施設であった。友人と僕もその待ち時間を待って、それに乗った。
2年前に乗った宙づりのジェットコースター
Euro Star もスピードや回転など迫力があったが、Cyber-Space はそれ以上であった。これも
Euro Star 同様、足をぶらんとして椅子に座っているだけのものだが、ジェットコースターが「動」なのに対し、振り子のものは「静」による怖さを体験出来る。最初、巨大な振り子が左右に振れ、そして一回転(2度)するのだが、その頂点で一度止まる(ように感じる)。身体は空中で90度下を向いている。そこからまさしく真っ逆さまに落ちていく感じを味わうことが出来る。乗っている時間はそれほど長くないが、乗り終わった後、友人が「(乗り物料)6オイロの価値がある」と言ったが僕自身にもそう感じられた。これはオクトーバーフェスト・ビール一杯(6,65-7,10オイロ)とほぼ同じ金額であるが、ビールを一杯飲んだ時と同じように楽しく感じさせる乗り物だと思われる。
ところで今年のオクトーバーフェストで始めて
Wiesn Card ヴィーズン・カードが導入された。これは30、40、50オイロのカードがあり、これを購入して遊戯施設に乗ると10パーセント割引されるというものである。どれほどの人が使っているのか分からなかったが、僕が見た限りにおいては使っている人を一人も見なかった。チケット売り場で現金を出す必要がないので、もしかすると日中、子供のいる家族連れなどが使っているかも知れない。
先のページでも触れたが今年のオクトーバーフェスト期間中は天候が良くなかったので、平日の遊園地は特に人が少ないように感じられた。ここで今回の期間中の天候を書くと、まず雨の日が多かったので全体的に気温が低かった。最も低い最高気温は9度となっている。最も高い最高気温は2日目の24度。逆に最低気温は6度で、最も高い最低気温は14度となっている。オクトーバーフェストの最初の土日と最後の土日だけが快晴で気温も高かったが、平日は雨が降る日も多く、また風もあり気温が数字以上に低く感じられる日が多かった。
雨の日でも屋内でビールを楽しめるビアテントに対して、遊園地の方は屋外なので、例えば滑り台など滑っている人は本当に僅かであった。夜になると、この滑り台は、特にお酒を飲み終えた人で盛り上がり、また滑り台の下(前)には、それを見る多くの人で一杯になる。しかし雨の日はたとえ夜でも、滑る人は少なく、お店の人も時間を持て余しているように見えた。
ところでこれも先のページでも触れたが、夜12時を回ったビアテント内、ビアガーデンと同じく、遊園地側でも非常に多くのゴミが散乱し、特にマスジョッキが幾つも転がっていた。中には割れたものもあり、足の踏み場に困るような場所さえあった。しかし翌日、早朝に訪れるとそれらが全て綺麗に清掃され、前日何事もなかったかのようになっている。今年のオクトーバーフェストは全体で12.000人が何らかの仕事に従事しているとのこと。清掃員の数も多いのかも知れない。
今年のオクトーバーフェスト、最初にも書いたが僕自身は12回訪れることが出来た。言い換えれば、自分の時間はオクトーバーフェストと一緒に動いていたのかも知れない。最終日の夜、営業を終え止まった観覧車を見ると、それは止まった大きな歯車のようにも見え、オクトーバーフェストが閉幕したことを更に強く印象づけた。来年のオクトーバーフェストは9月17日(土)から10月3日(月、ドイツ統一記念日で祝日)まで開催されるが、どのようなフェストのなるのか今から楽しみである。
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