やまねこの物語

日記 2度目の引っ越し

この日記は「部屋探し」の続きです。

既に書いたが僕は2003年2月に引越することにした。新しく引っ越しする家は、それまで住んでいた家と同地区内にあり近いので、自分で持っていくことが出来る荷物は出来るだけ自分で持って行くことにした。そういえば同地区だからか、以前使っていた電話番号をそのまま持っていくことが出来た。古い家の方の電話を止める日と、新しい家で繋がる日が同じ日の予定だったが、ドイツテレコムの手違いで電話がしばらく止められてしまった。携帯電話から2度電話してようやく無事に繋がるようになった(後日テレコムから「間違いがあった」とのお詫びの絵葉書が届いた)。

電話の引っ越しは、確か以前も有料だったと思うが、今回郵便局の方でも引っ越し通知が有料になっていた(前回2000年夏に引っ越ししたときは無料だった)。実際の引っ越しの作業、例えば本や衣服などは何度か往復して自分の手で持っていくことが出来た。しかし何度も行くのは疲れる上に一度に持って行くことが出来る量に限りがあったので台車を購入して引きずって行くことにした。「重量50キロまでは問題ない」という物を購入して、一度に段ボール箱を3箱、重さにして15キロ程の物を運んだ。しかし地面には降り積もった雪が残っており、またその上には滑り止め用の小石が蒔かれてあったので、非常に負荷がかかって台車を引きずって行くのは非常に重く、15キロ程度の重さだったにもかかわらず、3度目の移動で台車が壊れてしまった。結局自分で何往復もした。

自分の手で持っていくことが出来る物は、重いなりにどうにか持っていくことが出来たが、大きな家具などは自分で持って行くことが出来ない。それ故引っ越し業者に頼もうと、イエローページのようなものでいくつかの業者に見積もりを出した。その中で日程的に問題がなく、しかも他社より安いところがあったので、その業者に頼むことにした。その業者は広告などでは一切分からなかったが、当日聞いてみるとポーランド人の引っ越し業者であった。引っ越しの作業中、例えば家具の分解、組み立てなどの間もずっとポーランド語が部屋の中では聞こえてきていた。彼らはミュンヘンだけでもすでに15年この仕事をしているとのこと。

引っ越しの作業は友人にも手伝ってもらったので、思った以上に早く終えることが出来た。また家具の組み立てを業者にやってもらったのも良かった。というのは今まで使っていて立て付けが悪く不便だと感じていたところまで、完全に直していただいたからだ。また引っ越しの作業代も最終的に大幅に安くしてもらったので、それも良かった。

ところで今回の引っ越しは以前の部屋の家賃が高くなったので、それより安いところを探して引っ越ししたわけだが、つまりその分部屋も狭くなった。広い部屋から狭い部屋へと引っ越ししたので、新しい部屋には入らない家具が幾つもあった。以前の家は独りで住むにはかなり広く、空きスペースが幾つもあったので、色々と家具を揃えた。家具を揃えたと言っても新品ばかりでなく、ほとんどを「売ります・買います」的な新聞で探して安く購入した物だ。それらの幾つかは新しい家に持って行くことが出来たが、新しい家は狭い故にそれら全てが入るというわけではなかった。それ故、先に出たその新聞で幾つか、売りますという広告を出した。そしてそれらが新聞に出た日、朝からずっと電話が鳴りいくつかの家具を売ることが出来た。

その後、家具がなくなった以前の部屋の掃除をしなければならない。壁塗り、壁の穴埋め、床磨き、絨毯床の掃除などである。引っ越しをするときそれらの作業は一般的に義務的なことが多い。もししないで出て行くと、家の所有者がすることとなり、その分借り手が入居時に支払った敷金が返還されない、もしくは僅かだけしか返金されないと聞いた。それらの作業は楽ではないが、個人的には壁塗りは面白かった。といっても僕はタバコも吸わないので部屋の壁は最初の状態、つまりほとんど真っ白だった。以前、家の所有者が一度工事で部屋に足を踏み入れたとき、壁が全く汚れていないので「壁を塗ったのか?」と質問されたことがあったが、それくらい汚れていなかった。絨毯床の掃除は業者に機械を借りて行う。家具が置かれてあった跡などを消さなければならない。

というわけで引っ越しの作業はほとんど終わった。先日ネットで不動産情報を見ていると僕が以前住んでいた、というより 2月いっぱいまで借りている家が紹介されていた。色々な角度からの写真もそこにはあった。先日、鍵の一つを家の所有者に返したが、その後家を訪れ撮影したのだろう。自分が今まで住んでいた家をネットの不動産情報で見るのは何か不思議な気がした。が、今はどんな感情よりも「早く次の借り手が決まって欲しい!」という気持ちが強い。というのは先の日記「部屋探し」でも書いたが次の借り手が決まらなければ、僕は3月分の家賃を支払わなければならない。と書いているが既に3月になってしまった。

後日談:3月の二週目に以前住んでいた家の次の住民が決まった(新しい人は3月15日から借りる)。というわけで半月分の家賃を支払うと言うことになった。


(2003年03月01日)

 

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