やまねこの物語

日記 部屋探し

2002年12月僕は引っ越しすることに決めた。今(2003年2月)住んでいる場所は環境、場所、広さなど色々な面で理想的な部屋だが、昨年夏の契約更新時に家賃が上がり、しかも色々な経費まで値上がりしたので、つまり家賃が高いのでもっと安い部屋に引っ越ししようと考えた。色々な経費の値上がりと書いたが、通貨がユーロに替わってから物価そのものが上がっている。先日発売された Focus 誌でもそれについて書かれてあり、統計ではドイツで一番物価の高い街はミュンヘンとあった。また色々調べていると、ミュンヘンでは特に家賃の上昇が大きいようだ。

以前、日記「家探し」(別ウィンドウで開きます)でも書いたが、ミュンヘンの家探しはドイツの他の街や日本と比べると簡単ではない(前述の日記参照)。「住居不足」という言葉が新聞や雑誌、テレビに出ることも多い。特に学生は大変な状況で、ミュンヘンにある幾つかの大学の新入生5000人ほどが、入学までに住居を見付けられないと言う記事もあった。そういった人達は、住居難センターのようなところで一時的な場所を紹介してもらったり、部屋が見つかるまでペンションなどに滞在すると聞いた。学生寮は申し込んでも、どの寮も入居出来るまで平均3-4ゼメスター(1年半から2年)待ちで、最高6ゼメスター(3年)待ちという寮もあった。

2003年1月中旬、そういった状況の中で部屋探しを始めたが、今回の部屋探しに当たっては、知人友人色々な人に助けていただいた。WG(Wohngemeinschaft の略で、辞書には「数人が一つの住居を共有して共同生活を営む」とある。ドイツでは見知らぬ人同士が WG で住むことが多い。)を紹介していただいたり、また様々な情報、例えば不動産関係を扱ったホームページのアドレスを教えていただいたりもした。また「もし万が一、期日までに部屋が見つからない場合は部屋を貸してくれる」という人までいて多くの人に本当に色々と助けてもらった(本当にどうもありがとうございます!先の WG の件は条件的に少しあわなかった)。

上で「期日」と書いたが、普通、解約は3ヶ月前までに知らせなければならない。僕は2002年12月末に部屋の解約届けを出したので、2003年3月31日までに新たな部屋を見付け、引越を済ませ、今住んでいる部屋の掃除、例えば壁塗り、電気ドリルを使った場所の穴埋め、床磨きなどをしなければならない。僕は2月に色々と予定が入っているので、1月中に新しい部屋を見付け、契約して2月上旬には引越を済ませたいと考えた。僕はミュンヘンの住居難を2000年に体験したが、本当に大変だったので、今回もそれを覚悟して部屋探しに望んだ。そういえば新聞には「ミュンヘンの住居難は2001年がピーク」とあり、2003年には住居難が収まったはず、と少しは楽観的にも見ていた。

前回は新聞、インターネットで探したり、また新聞に情報を出したり、電柱に貼ったり、不動産屋に登録したり、本当に様々な方法で部屋探しをして、苦労して部屋を見付けたといった感があった。今回はまずインターネットで探し、物件の見学申し込みなどを30件以上したが、実際返事があったのは数軒だった。電話がかかってきても、こちらが学生と言うと、それだけで断られることが多かった。そういえば国籍を聞かれることは一度もなかった(外国人には部屋を貸したくないという人もいる)。

それで結局4軒、部屋見学の具体的な日時などの情報を得ることが出来た(それプラス、ホームページで見学会の情報が予め載っていた部屋も一軒見に行った)。前回の部屋探しの際は一つの物件に40-60人、多いときで130人以上見学者がいて、マンションの入り口前は多くの人でごった返していた。それゆえ見学に行ったとき、人の多さでどのマンションで見学会が行われているか直ぐに分かった。今回もそのような状況を予想して、気合いを入れて一軒目の部屋を見に行ったが、そこには僕を含めて3人しかいなくて、少し拍子抜けの感があった。見学会は30分くらいあったが、結局その3人だけだった。

その一軒目に見た部屋は、僕にとっては「とりあえず見た」といった感じで、僕以外の人も、何か決め手に欠けると言った部屋だった。結局その物件は一週間以上ホームページに載っていた。僕はその後4軒の部屋を見に行ったが、一軒目と同じく見学者は何処も少なく一番多くても6人程度だった。普通、見学会では、その物件に興味があれば、不動産屋や所有者などが用意した紙に個人情報を記入して提出する。その中で不動産屋や所有者が次の間借り人を選出する。結局僕は4軒の部屋に、その「興味がある」という用紙に名前などを記入して提出した。前回の部屋探しの際には40件以上、それに記入、提出したが、見学会に来た人ほとんどがそれを提出していたので、競争倍率はものすごく高かった。が、今回は提出した4軒中、3軒から電話がかかってきて、その中で自分が最も気に入った部屋を選ぶことが出来た。

正直なところ、部屋探しは予想していたより、非常に簡単にことが進んだ。こんなに簡単に進むなら、とことん理想を求めて部屋探しをするということも可能であったが、自分としては、とにかく早く決めたかったので、その気に入った部屋に決めた。決めた理由の一つに今住んでいる場所から近いというのが挙げられる。近いと引越も楽だし、また環境的にも気に入っているところなので、気分的にも楽だ。その後契約もあっという間に終わり、1月下旬から新たな部屋を借りることが出来た。が、電話の取り付け工事が2週間以上かかるらしく、実際の引越作業はまだ先である。(ただ一つ問題は、2月に新しいところに引っ越ししても、古い部屋の契約は3月まであるので2ヶ月間、2つの部屋の家賃を払わなければならない。これに関しては今、古い部屋側の大家さんと交渉中。)

今回の部屋探し、偶然早く見つかっただけかも知れないが、どの物件も見学者の数が少なかったことを考えると、少しは住居難が解消されているのかも知れない。それとも、雪が積もり氷点下の気温になる真冬に引っ越しする人が少ないのだろうか。そういえば2002年12月同じく部屋を探していた友人も、見学しに行った一軒目の部屋に決まり、見学会には友人を含めて3人しかいなかったそうだ。やはり冬の時期は部屋探しの穴場なのだろうか。前回の僕の部屋探しは夏の休暇前の時期で、つまり人が最も移動する期間だったので、部屋探しをしている人の数が多かったのかも知れない。いずれにせよ、個人的には早く、それも近くに新しい部屋が見つかって本当に良かった良かった。

この日記は「2度目の引っ越し」に続きます。


(2003年02月01日)

 

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