やまねこの物語

おでかけ オーストリア・ザルツブルク

旅の目的

時期

観光

2005年6月中旬

 

ヴェルテンブルクに続いて、日本から来られたYさん、Hさんとの同行の旅はザルツブルク、ザルツカンマーグートへと続く。ヴェルテンブルク、レーゲンスブルクがYさんの希望だったのに対し、ザルツブルクは映画「サウンド・オブ・ミュージック」ファンのHさんの希望の地ということだった。これはミュンヘンから出るバスツアーを利用することにしたが、当日は午前8時10分集合だったので、僕は少し余裕を持って8時には着くように家を出た。集合場所には思ったより少し早く着いたが、そこには既にYさん、Hさんの姿があった。本人たちも言っておられたが、相当気合いが入っているとのこと。

バスは8時30分にミュンヘンを出発するが、その大型バスは少し遅れてやってきた。ガイドの人が人数などの点検をして、それから出発となった。僕自身は今までバスツアーに参加したことがなかったので、それだけでも非常に楽しみだった。そういえばパンフレットには「案内はドイツ語/英語」となっていたが、ガイドの人は基本的に英語中心で話していた。しかし中には英語を全く解せない人もいて、その人たちのためにドイツ語を話すといった感じのツアーだった。

バスの中では、ミュンヘンの街についてのガイドがあった。英語中心と言うこともあり、このツアーは地元の人が参加するものと言うより、ミュンヘンに滞在している観光客が参加するツアーといった印象を受けた。しかし地元の人でも車を持っていない人は、こういったバスツアーに参加することにより電車では移動が大変な、例えばザルツカンマーグートなどにも行くことが出来るので、個人的にはミュンヘンの説明だけでなく、目的地の解説ももう少しあって欲しかった。といっても、ミュンヘンにいながら目的地の解説は、実感がないだけに気の早いことなのかも知れないが。

一度の休憩を挟み、バスは午前11時頃にオーストリアのザルツブルクに到着した。途中、ドイツとオーストリアの国境を越えたが、特に何もなく、それを言われなければ国境を越えたとは気付かなかったくらいにさえ思われる。ザルツブルクに到着してから、ガイドの案内でモーツァルト広場に向かった。ここから自由時間になる。午後1時半までの2時間半、自由に街を散策して良い。しかし2時間半といっても、その間に昼食も取らなければならないので、目的地を決めて行動した方が良い。

バスの窓からの景色、キーム湖
バスの窓からの景色、キーム湖

バスの窓からの景色
バスの窓からの景色


今回のザルツブルクへの旅は、先にも書いたが「サウンド・オブ・ミュージック」ファンのHさんの希望ということなので、その舞台にもなったミラベル庭園に向かった。人通りの多い旧市街地を歩いていると、偶然、探し求めておられたお土産の品があったので、それを迷わず購入された。僕自身もその商品がミュンヘンにあるか気になっていたので、少し安心した。

ザルツアッハ川を渡り、ミラベル庭園まで来ると、ここはさすがに観光客の姿が多い。しかし地元の人も人と喋ったり、本を読んだりしてくつろいでいる。有名な観光地でありながら、そこは人の生活空間でもある。それを意識すると、そこが魅せるために庭園という要素を持ちつつ、落ち着いた憩うための場所という気もした。

ところでミラベル庭園の「ミラベル」とは「美しい眺め」という意味であるが、この「美しい眺め」の由来は庭園ではなく、庭園に隣接して建つ宮殿にある。ミラベル宮殿は1606年、大司教ヴォルフ・ディートリヒ・フォン・ライテナウが、商人の娘でユダヤ教徒であった愛人サロメ・アルトのために、当時、市の外側であった場所に彼の別荘として建てた宮殿である(10人の子供をもうける)。そして彼はその別荘を彼女の名前に因んで「アルテナウ」と名付けた。

当時のザルツブルクにおいて独裁的な権力を持っていたヴォルフ・ディートリヒだったが、彼はバイエルン大公国と製塩権をめぐって破れたのを期に退位させられ(1612年)、ホーエンザルツブルク城に幽閉され、そのまま亡くなった。アルテナウ宮殿は彼の後継者で、また従兄弟であったマルクス・シッティクスの所有になり、同時にサロメ・アルトとその子供たちは追放された。その際、彼は前任者ヴォルフ・ディートリヒ・フォン・ライテナウの記憶を消し去るために、この宮殿を(未来に向けて)「美しい眺望、眺め」という意味でミラベル宮殿と改名した。

そしてそのミラベル宮殿に隣接する庭園が1690年、フィッシャー・フォン・エルラッハによって設計された。そのミラベル庭園は現在も当時と同じバロック様式の美しい姿を見せている。庭園が完成した頃は大司教ヨハン・エルンスト・フォン・トゥーンがこの地を統治していた時で、彼は「設立者」「寄進者」と呼ばれているが、その彼の時代にザルツブルク・バロックが最盛期を迎えた。「美しい眺め」の名が付いた宮殿及び庭園は、現在多くの人に愛される場所になっており、その名前に相応しい場所となっている。

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル庭園
ミラベル庭園、水やりの人

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル庭園
ミラベル庭園

ミラベル宮殿
ミラベル宮殿(左)

ミラベル庭園
ミラベル庭園

 

 

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