やまねこの物語

日記 オペラフェスト2006
1)オペラフェスト前夜祭

6月24日(土)、サッカー・ワールドカップ・ドイツ大会の決勝トーナメント1回戦ドイツ対スウェーデンが ミュンヘンで行われた。その試合の時間に市内を歩いてみると、土曜日の午後にもかかわらず人通りが少ない。サッカーを観戦、応援している人が多いのだろうか。

そして試合終了後、街中を歩けば、先程とは比べられない程、一気に人の数が多くなっているのが分かった。ドイツが勝利したとあって、大声でその喜びを爆発させている人々が多く、街そのものが一種の興奮状態にあるようだった。

その興奮した状況の中、市内フュンフヘーフェにおいて、バイエルン州立歌劇場フェストシュピール(オペラフェスト)の前夜祭が行われた。ヒュポフェアアインス銀行の主催によるもので今年で5回目のイヴェントである。正式には「HVB FESTSPIEL - NACHT」で「ヒュポフェアアインス銀行・フェストシュピールの夜」という。

銀行の窓口ホールなど10カ所において、20時から24時まで、例えばオペラ、コンサート、踊り、歌曲、文学などの催しがあり、チケット無し、つまり無料で会場に入ることが出来る。

プログラム(それぞれ30分から1時間)の中で幾つか見たい(聴きたい)プログラムがあったので、20時頃にフュンフヘーフェに行くと、既に入場制限がなされていた。他の場所に移動したが、そちらでも同じだった。

最も聴きたかった催しは、銀行窓口ホールで22時15分から行われるオペラ(歌手によるアリアコンサート)だったので窓口ホール前で暫く時間をつぶしていると、20時45分頃に「まだもう少し人が入れる」ということで、その流れに乗って中に入ることが出来た。

舞台ではバイエルン州立歌劇場の Junges Ensemble の人達がオペラアリアを歌っているところであった。彼らはいわゆる若手、新人で、歌劇場で行われるオペラでは脇役でよく歌っている。

それが終わって別の会場に移動しようかと考えたが、外を見ると入場を待っている人達の姿が見えたのでそのまま窓口ホールに残ることにした。舞台では宮廷歌手ケヴィン・コナーズ率いるグループがアカペラを歌った。そのあと振り付け師ベアーテ・フォラックの踊りと続く。どちらも歌劇場では良く知られているので、それを聴きに来ている人達も多かった。

そして自分が最も聴きたかったオペラの時間になった。出演はジョン・トムリンソン、マルティン・ガントナー、ジョン・ダシャーク、チェン・ライス、アガ・ミコライで歌劇場では準主役、演目によっては主役を歌っている人達である。彼らがオペラやオペレッタなどを歌い、聴衆も大きな拍手やブラヴォーでそれに応えていた。予定では23時までだったが、実際には23時半頃まで続くほど、盛り上がったコンサートだった。

ところで彼らが立っている舞台、「舞台」と言っても単に台を作っただけのような感じで、高校の文化祭的な非常にシンプルなものである。銀行の窓口ホールなので音響が良いわけでもなく、響きもほとんど無い。そういった状況の中で彼らの熱唱を聴けたのは貴重なことだったようにも思える。

これら以外に行われていたプログラムは、バイエルン州立オーケストラ(メータ指揮)によるモーツァルト、セレナーデ第10番「グラン・パルティータ」やアイボア・ボルトンのチェンバロ、カウンタテナーであるクリストファー・ロブソンのコンサート、劇場総支配人ペーター・ヨーナス卿による詩の朗読など様々なものが催された。

オペラ祭は6月24日(土)から7月31日(月)までの約一ヶ月間行われる。これからの一ヶ月が非常に楽しみである。

 

以下の写真は全て2006年6月24日に撮影したもの。

前夜祭の模様

前夜祭の模様

特別ステージ

特別ステージ

特別ステージ上

特別ステージ上
左よりアガ・ミコライ、マルティン・ガントナー、
チェン・ライス、ジョン・トムリンソン、ジョン・ダシャーク。

本屋での朗読会

本屋での朗読会

 

オペラフェストの案内をする人

オペラフェストの案内をする人

前夜祭

前夜祭

様々な色でライトアップされる建物

様々な色でライトアップされる建物

前夜祭ポスター

前夜祭ポスター

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(2006年8月6日)

 

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