石畳の道(ハウプトヴァッハ通り)を歩くと大きな広場、マクシミリアン広場に出た。ここではクリスマスマルクトが開かれている。平日のお昼だったせいか、人はそれほど多くない。マルクトで売られている物を一通り見た後、広場にあるバイエルン王マクシミリアン1世の噴水の所まで行き、王に挨拶をして、その広場を離れた。そこから続く通りは道幅が少し広くなっている。ここはグリューナーマルクト、つまり緑の市という文字通り、新鮮な野菜などを売る市場として利用されていた場所である。街の台所であり、ミュンヘンでいうヴィクトァリエンマルクトである。しかし現在その役割はマクシミリアン広場の方にあり、グリューナーマルクトの方はバロックの建物が並んで昔ながらの面影を残しているものの、そういった市場独特の雰囲気を伝えることなく、何処か落ち着いた印象を与える場所になっていた。もちろんそれは僕が訪れたのが冬だったから、そのように感じたのかも知れない。夏に来ればまた違った印象を受けると思われる。
しかし、落ち着いた印象を与えていたのはその広場で一際人目を引く聖マルティン教会の存在によるものかも知れない。この教会は1686-93年にゲオルク・ディーンツェンホーファーによって建設された。バロック様式のこの教会が広場のアクセントになっている。その広場の先に友人が目指していたグリューヴァインのお店があった。早速グリューヴァインを注文したが、それは冷えた体を十分に温めてくれた。温かいグリューヴァインをいただいたあと、お店の人にグラスを持って帰りたいと告げると、新しいグラスと交換してくれ紙袋に包んでくれた。そういったものが用意されているところを見ると、やはりコレクターが多いのかも知れない。
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