やまねこの物語

おでかけ オーストリア・リンツ

旅の目的

時期

オペラ鑑賞

2001年6月上旬

 

    いうわけで僕は旧大聖堂を後にして次の教会を目指すことにした。次に目指すは巡礼教会。この教会はリンツの街中を流れるドナウ川の旧市街と反対側の山頂にあり、リンツの街を一望できるらしい。そこへ行くにはペストリングベルク登山鉄道に乗らなければならない。この鉄道は1898年に開通した軌道式の鉄道で537メートルの山頂へと続く。またここは世界で一番急勾配の所を走る軌道式の鉄道としてギネスブックにも載っているようだ。僕は往復のチケットを購入して一両だけの小さな電車に乗り込んだ。この鉄道を交通手段としている人もいるらしく自転車を電車後ろに引っかける人や買い物帰りの主婦らしき人もいる。その人たちは途中の駅で下車していく。そのような急勾配の所に住宅地が拡がっていて人が住んでいるというのが驚きだった。電車はのんびりのんびり約20分弱で山頂の巡礼教会の所に着いた。山頂には教会だけでなくリンツを望む展望台や、ホテル、お土産やビアガーデンなどがあった。
     

ペストリングベルク登山鉄道
 ペストリングベルク登山鉄道
ギネスブックにも載っている

山頂の展望台から
山頂の展望台から
ドナウ川とリンツの街

    礼教会 Wallfahrtsbasilika は1738-48年にバロック様式で建設され、シンボルとなっている2つの塔は1891-92年に建設された。この塔は旧市街からも望むことが出来る。ここの教会前の階段、どこからか分からないが大変いい花の香りがしていた。いい香りがすると何となくホッとする。で、他の観光客に混じって僕も教会の入り口をくぐった。バロック様式の教会で、よく見られるような天井に丸くフレスコ画が描かれている。この教会もなぜだか分からないが旧大聖堂と同じく黒色の説教壇だ。この説教壇には今まで見たことがない踊る天使像(?)があった。礼拝堂脇にある廊下を利用した小さな礼拝堂や地下のクリッペなどが印象的。外壁には日時計があったがさすがに夏時間には対応していなかった。

巡礼教会
 巡礼教会

巡礼教会礼拝堂
巡礼教会礼拝堂

踊る天使
 踊る天使
もしかすると踊っているというわけではないかもしれない

教会前から見たリンツ市街
教会前から見たリンツ市街
 

中央祭壇
中央祭壇

日時計
日時計

    ころでこの教会を訪れるために乗った登山鉄道やこの教会付近、やたらと子供が多い。案内の人が引率の先生にドイツ語で話し、それを先生が何処か他の国の言葉に訳して子供たちに説明していた。おそらくチェコ語だろう、とか何とか考えながら登山鉄道で街に帰ろうとした。暑かったのでアイスクリームを買って鉄道発車の時間まであたりをぶらぶらしていると、いきなり中世の城郭石垣らしきものと堀が見えた。僕は教会だけでなく古城などにも関心がある。特になぜだか分からないが石垣に大きな関心がある。だから石垣が見えたときはワクワクしてそれに沿って歩いていった。もう登山電車の時間はどうでもいいといった感じだ。

    垣に沿って歩いていると親子連れや子供の集団と何度もすれ違った。景色のいいところだから、みんな展望台に向かっているのだろう。そのまま一本道を数分歩いていると吊り橋になり、石垣の向こうに何かの入り口がある。看板を見ると「洞窟鉄道」。一体どのようなものだろう。石垣に洞窟鉄道。かなり面白そうに思ったので、僕は入場料(55シリング)を払って中に入った。どうやら遊園地にあるような電車に乗って洞窟の中を回るようだ。確かディズニーランドにもよく似た感じのものがあったと思う。一体どのような洞窟を走るのだろうかと僕はワクワクした気持ちいっぱいでその電車に乗った。が、何分待っても出発しない。その間に親子連れや子供が一杯乗り込んできた。子供電車といった感じだ。約15分待たった後ようやく電車が動き出した。と思ったら約5分後にはもう終わった。

    窟鉄道、これはぐるっと円を一周するだけだ。洞窟はもちろん人口のものだが、壁には小人の世界を表したような感じで小さな人形があり、それぞれの場面には名前がある。例えば「王」や「肉屋」など。電車に乗って一周目は真っ暗の中、左側の灯りが、二周目には右側の灯りがつき、三周目は左右と上部の灯りが付く。一周一分強といったところだろうか。本当にあっという間に終わってしまった。

    う終わり?と複雑な心境のまま電車を降りると、そのまま地下へ続く階段があった。地下はこびとの世界を模したテーマパークのようになっていて小さなアパートが並んでいる。その脇には小さな路地があり、そこを進むと色々な童話の1シーンが作られている。白雪姫、シンデレラ、ブレーメンの音楽隊、長靴を履いた猫など馴染みのあるものが色々と展示されてあった。僕はとりあえずただ全部まわった。そんな僕の横を子供たちが行ったり来たりしている。巡礼教会や登山電車であった子供たちは、どうやらこのテーマパークに来ているようだった。正直なところ僕にとっては「う〜ん」といった感じのテーマパークだったが子供たちを見ていると、彼らにとってはものすごく面白く楽しい場所のようだ。おそらく僕も子供の時に来ていたらワクワクしたに違いない。

石垣と堀
 石垣と堀

 

洞窟鉄道
洞窟鉄道
親子連れなど子供が多い
 

こびとの世界
 こびとの世界

 

童話の世界
童話の世界
上のものは長靴を履いた猫
右手前は覗き込む子供の頭

    んなわけで再度石垣の所を回って登山鉄道に乗り市街に帰ることにした。電車はちょうど発車するところで僕は走って、まさしく飛び乗ることが出来た。登山鉄道で下山するとき、回りの風景は、どことなくもう知っている場所のような錯覚がした。実際には登山鉄道で登るときしか見ていないのだが。それで街に戻ってきたのだが目的のオペラまではまだ時間がある。というのでもう一つ是非観ておきたかった教会、新大聖堂へ向かうことにした。

    大聖堂がバロック様式なのに対し新大聖堂はゴシック様式で1862-1924年に建てられたものだ。教会の塔(134メートル)は計画ではウィーンのものより高くオーストリア第1位の予定だったがウィーンに反対され2番目となったといういわく付きのもの。ここへ足を踏み入れると予想以上に綺麗なステンドグラスの数々に圧倒された。ちょうど日が差してくるところは燃えるような色をしている。ただ残念なことに写真に何枚も撮ったがほとんどは色が失われていて、普通の窓っぽく写っていた。教会内部をぐるっと一周した後、そろそろオペラの開演時間が迫ってきたので服を着替えるために新大聖堂を後にした。

新大聖堂
 新大聖堂

新大聖堂礼拝堂
新大聖堂礼拝堂

ステンドグラス
 ステンドグラス
写真に撮るのが難しかったので一枚だけ

 本祭壇裏のマリア像
 本祭壇裏のマリア像

 

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