おでかけ スイス・ルツェルン |
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ラートハウス桟橋を渡って、ロイス川の対岸に来た。イエズス教会前は若干広くなっているが、それでも教会の大きさを感じるには少し狭い気がする。そんなことを考えながら礼拝堂への扉を開けて中に足を踏み入れた。イエズス教会聖フランツ・クサファーはクリストフ・フォーグラーによって1666/67年に建設された。スイスで初めての大バロック教会である。 中に入ってまず感じたことは明るいと言うこと。そして赤の大理石を使った主祭壇の大きさである。主祭壇は、どっしりとしていて、そびえ立っている感がある。そして白を基調とし、ピンク(赤)色の装飾。それまで教会と言えばロマネスクやゴシック様式など木造の梁が目に見える建築だったが、この教会礼拝堂では椅子を除いて、木造的な所がない。その分、温もり感に欠け、何処か冷たくなった気もするが、しかし逆にそれまでの礼拝堂が持っていた薄暗さはなく、ドームの天井に描かれたフレスコ画など、神に近い世界がそこにはある。建築様式の移り変わりは、もちろんルツェルンに限ったことではないが、個人的に思うのは、スイスに置ける反宗教改革の中心地であるルツェルンで、この教会はどのように受け止められたのかと言うことだ。
イエズス教会を見た後、近くにあるフランシスコ会教会に足を進めた。この教会は元々は聖マリア教会として1269年に建設されたフランシスコ会修道院の教会である。今日現存する教会関連建築としてはルツェルンで最も古い。1433年アントニウス礼拝堂が増築され、その後1551-63年に改築された。修道院は1838年に廃止されたが、初期ゴシックからバロックまでの建築様式が見られ、中でもスイスで最も精巧で美しいとされる説教壇はマニエリスム(ルネサンスからバロックへの過渡期の誇張に満ちた芸術様式)のものである。この教会は1964年より、市の文化財保護を受けている。 礼拝堂に足を踏み入れると、外からは全く聞こえなかったパイプオルガンの音が聞こえてきた。練習をしているようだ。パイプオルガンの音が礼拝堂内に響き渡っていると、その空間がより厳粛な雰囲気に感じられる。時々パイプオルガンの演奏が止まった。フッと音が消えて静けさが礼拝堂を支配する。その場から逃げ出したくなるような静けさだ。
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