やまねこの物語

日記 2006年3月上旬の雪

この日記は「2004/05年の冬ケーニヒ広場の雪景色」「2003年1月上旬雪の季節」「雪の日」関連です。

3月5日(日曜日)、多くの人が朝起きて、窓の外を見て驚いたに違いない。外は真っ白である。低気圧“Aurisa”の影響で、前日から明け方にかけての24時間以内に40センチ以上の積雪があった。色々な報道を見ていると、3月の積雪量としては記録的なもので、また30時間以上連続して降り続いたのも1879年以来、最も長い間降り続いたと言うこと。そして更に、大雪に関する警報が発令されており、必要のない人は外出しないようにとも言っていた。

3月にここまで雪が降るのは本当に珍しい(注1)。2月には晴天が続き、少し温かく感じられる日もあったので、春はもうすぐそこまで来ているといった印象があった。にもかかわらず冬に逆戻りである。3月5日(日)の午前7時では50センチの積雪があった。その積雪量にも驚くが、春を前にしたこの時期に雪が積もったと言うことにも多くの人が驚いただろう。

この大雪でミュンヘン空港を発着する飛行機やドイツ鉄道に大きな影響が出た。また大渋滞しているアウトバーンの映像もニュースで何度も報道されていた。ミュンヘン市内では地下鉄以外の公共交通機関が全てストップした。前日から雪は絶えず降り続いていたので、トラムの方は除雪が追いつかず、また積雪によって折れた枝が危険になると言うことで前日(土曜日)深夜から不通となった。バスは早朝は走っていなかったが、日曜日の午後遅くには約半分の路線が運行出来るようになったと言うこと。S-Bahn(近郊電車)も一部は早朝走っていたが、積雪によって木々が路線に近づいていたことに対する危険があり、また一部の路線では電線に傷害が出て不通になった。その他、市内の信号も83カ所で故障が出たらしい。

除雪作業は深夜から始まっていたが、雪がそれ以上に降っていたので大きな通りにも雪が残っていた。走る車の数も少ない。時々走っている車も見かけるが、その速度は遅く、それを見ていると、街全体の動きが非常にゆっくりしているように感じられた。

ところでこの冬はバイエルンや周辺各国で雪の重みによる天井落下の事故が何件かあった。この日曜日、ミュンヘンでも雪の重みで2カ所天井が落下した。幸いにもけが人はいなかったが、安全のため市内にある約380のスポーツ施設(学校の体育館やプールなど)が閉鎖され、開園して約100年になるミュンヘン動物園も、その歴史で初めて雪による終日閉園となった。その他ニンフェンブルク城庭園、市内8つの墓地も閉鎖された。雪の重みで枝が折れる心配があると言うこと。

そして消防が出動した回数、土曜日朝から日曜日のお昼にかけて折れた木や枝の除去のためがほとんどらしいが、その回数は750回にも上ったらしい。また警察にも事故の通報が土曜日だけで100回あり、そういった数字だけ見てもミュンヘン市内で雪による影響があったのが分かる。またその雪の影響で色々な支障が出ることから、ゴミの収集は約一週間なされないということが報道されていた。
 

日曜日のお昼、久しぶりに英国庭園を散歩することにした。きっと一面の雪景色が拡がっているだろう。街中を歩いていると、多くの車が雪に埋もれているのが分かる。車を動かすために雪かきをしている人もいたが、中には車に乗ろうとしたものの、しばし考えて諦めている人の姿もあった。この日は車が発車するとき、タイヤが空回りしている光景を何度も目にした。しかし偶然その場に居合わせた人が後ろから車を押したりして、助けることが多かった。

また雪で滑って転んでいる人を何度も目にした。その時も周りにいた人が大丈夫?と声をかけていることが多かった。ここまで大雪になると助け合いの気持ちや他人に対する優しさが生まれるかも知れない。自分も雪の中、慎重に歩いていたものの、雪用のブーツを履いていたので滑らないと油断してしまったのか、英国庭園を歩いているとき滑って転んでしまった。その時、自分の後ろに人の姿が見えた。が、その人も滑って転んでいた。

街中に出るとカメラを持って写真を撮っている人の姿が多い。自分だけでなく、多くの人にとってもこの雪の光景は珍しいものなのだろう。ところで英国庭園を歩いていると、多くの人の表情が明るいことに気が付いた。一日でここまで積もった雪を見て興奮している人が多いのかも知れない。全く知らない人でも挨拶をしている。自分も何度か笑顔で声をかけられた。散歩をしている人を見ていると、子供だけでなく、親子でフカフカに積もった雪にダイブしていたり、大きな人がソリで引っ張られている光景を目にした。中には積もった雪をかき分けるようにして無邪気に走り回っている大人の人もいる。ドイツ人がこんなに楽しそうな表情をしているのを見たのは初めてかも知れない。笑い声が響いている。そういった明るい楽しい気持ちを表すように、(誰かが作った)雪だるまの表情も非常に微笑ましかった。
 

(注1)3月の積雪を見てみると、2000年は1センチが最高、2001年はゼロ、2002年は最高1センチ、2003年ゼロ、2004年11センチ、2005年22センチ。ここ2年は多いものの、それまでは少ない。ちなみに2006年3月のこれまでの最低気温はマイナス6度。最高は7度。

以下の写真は2006年3月5日(日)、6日(月)に撮影したもの。

雪に埋まった車

雪に埋まった車

雪に埋まった自転車

雪に埋まった自転車

雪に埋まった車

雪に埋まった車

雪かきをする人

雪かきをする人

芸術アカデミー

芸術アカデミー

レオポルト通りを望む

レオポルト通りを望む

凱旋門

凱旋門

凱旋門

凱旋門

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学

ルートヴィヒ通り

ルートヴィヒ通り、車は少ない

雪に覆われたバス停

雪に覆われたバス停

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学

街灯

街灯

ビアガーデンの看板

ビアガーデンの看板

英国庭園を散歩する人々

英国庭園を散歩する人々

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

スライディングして楽しむ犬

スライディングして楽しむ犬

雪に埋もれたベンチとゴミ箱

雪に埋もれたベンチとゴミ箱

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

聖母教会を望む

聖母教会を望む

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

旧市街地方面を望む

旧市街地方面を望む

聖母教会とテアティーナ教会

聖母教会とテアティーナ教会

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

中国の塔

中国の塔

売店

売店

中国の塔とビアガーデン

中国の塔とビアガーデン

ビアガーデンに座る人

ビアガーデンに座る人(中央)

売店で休む人達

売店で休む人達

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

英国庭園

救命具の向こうは凍った湖

救命具の向こうは凍った湖

凍った湖

凍った湖

雪だるまを作る人々

雪だるまを作る人々

雪だるま

雪だるま

除雪作業

除雪作業

レジデンツ通り

レジデンツ通り

宮廷庭園

宮廷庭園

レジデンツ

レジデンツ

王ルートヴィヒ1世像

王ルートヴィヒ1世像

選帝公マクシミリアン1世像

選帝公マクシミリアン1世像

王マックス・ヨーゼフ像と歌劇場

王マックス・ヨーゼフ像と歌劇場

旧植物園公園

旧植物園公園

レンバッハ広場

レンバッハ広場

バス停

バス停、通りには雪を運び出すダンプ

 

 

プロメナーデ広場、雪に埋もれたベンチ

プロメナーデ広場、雪に埋もれたベンチ(左)

プロメナーデ広場

プロメナーデ広場

雪に埋もれた公衆電話

雪に埋もれた公衆電話

オープンカフェ

オープンカフェ

レジデンツ通り

レジデンツ通り

将軍堂

将軍堂

オデオン広場

オデオン広場

除雪作業

除雪作業

(2006年03月07日)

 

 

トラムで配られていたブレッツェル(2006年03月15日)追記
後日、トラムに乗ると「雪で(トラムが)運休になって申し訳ございません」と無料でブレッツェルが配られていた。その日、暫く後に別の路線に乗ったが、そちらでも配られていた。

 

 

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