やまねこの物語

日記 オペラフェスト2006
5)「ノルマ」

2006年6月29日(木)、バイエルン州立歌劇場でベルリーニ「ノルマ」が上演された。

2006年1月に新演目として上演された作品である。この時、ノルマ役をグルベローヴァが歌うということでかなり話題になった。そのチケット販売にさえ数台のテレビカメラが来る程だった。6回あった公演はどれも盛り上がり、公演は大成功を収めた。

今回のオペラフェストでもノルマをグルベローヴァが歌う。自分は開演一時間前に歌劇場に向かった。雨にもかかわらず、多くの人が「チケット求む」をしている。今年のオペラフェストで、演目的にも配役的にも、最も魅力のある作品を挙げるなら間違いなくその一つにこのノルマが挙げられるだろう。歌劇場は正装率が高く、それがこのオペラに対する期待感を表していた。

公演の方は歌手陣に対してブラヴォーが出るものだったがそれは演奏の完成度に対してではなく、歌手の存在に対して出ていたように感じられた。挨拶の最後に指揮者が出てきたが、その時にはブラヴォーがほとんど聞こえなかった。

聞けば今回のこの公演に対して、音楽稽古や舞台稽古など全体での練習が一度もなく、ぶっつけ本番だったと言うこと。(ぶっつけ本番で出来るところが流石である。)今年の1、2月の公演と同じキャストで、その時に時間をかけてやっているので、今回、練習時間は他の演目のために使われた。前日の「モーゼとアロン」である。

しかしそういった中でも、やはりグルベローヴァの存在感は別格であった。個人的には彼女が歌うノルマを聴くことが出来、非常に満足した。

そういえば2幕で一度舞台転換が行われる箇所がある。そのために数分間、音楽が止まるのだが、指揮者はそれを忘れていたのだろう、指揮を振り始めてしまった。間違いと気付いたのか、途中で指揮を振るのを止めて舞台転換が終わったあとにもう一度、演奏をやり直すということがあった。今まで何度もやっている演目なのでオーケストラの人も舞台進行を覚えているだろう。それでも指揮者が指揮を振り始めたので演奏をした。当然のことだが、やはりオーケストラの人は指揮を見ているのだなぁと改めて思った公演であった。
 

「ノルマ」の旗

「ノルマ」の旗
 

「ノルマ」公演後の挨拶

「ノルマ」公演後の挨拶

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(2006年8月6日)

 

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