日記 オペラフェスト2006 |
2006年7月10日(月)、プリンツレゲンテン劇場でモンテヴェルディ「ウリッセの帰還」が上演された。バロックオペラである。 以前、雑誌で読んだ中に次のようなものがあった。「現在、ミュンヘンはドイツ、もしかすると世界的に見てもバロックオペラの中心地と言えるかも知れない。数多くのレパートリー、古楽器を使ったレヴェルの高い演奏、そしてバロックオペラを受け入れる多くの市民がいる。」 13年前にイギリス人であるペーター・ヨーナス卿がバイエルン州立歌劇場総支配人に就任してから レパートリーの中にイギリス人作曲家の作品が多く取り上げられるようになった。その中で最も多いのがドイツ生まれでイギリスに帰化したヘンデルの作品である。 そしてバロックオペラが幾つも上演された。モンテヴェルディもその一つである。「ウリッセの帰還」の客席の中には歌劇場総支配人の姿もあった。公演の方は最後に多くの人が拍手だけでなく床を踏みならす程に盛り上がった公演だった。 ところで今シーズン(2006年7月末)でヨーナス卿の歌劇場総支配人としての任期が終わる。それに伴ってか多くの演目が今シーズンで終わる。バロックオペラが特に多く、この「ウリッセの帰還」も今回の公演が最終公演だった。 来シーズン、音楽総監督としてケント・ナガノがその職に就くが、彼はフランス作品を得意としているので今後はバロックではなくフランスになる可能性もある。因みに来シーズンのバイエルン州立歌劇場の新演目はリーム「ゲヘーゲ」(世界初演)、チン「不思議の国のアリス」(同)、マスネ「ウェルテル」、ムソルグスキー「ホヴァーンシチナ」、ヴェルディ「ルイザ・ミラー」、ロッシーニ「イタリアのトルコ人」である。バロックオペラが終わるのは非常に寂しいものがあるが新しく始まるものも非常に楽しみである。 |
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(2006年8月6日) |
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