2005年6月11日(土)、12(日)の二日間、ミュンヘン市の創設祭が行われた。街の847回目の誕生日である。その両日とも曇り空が拡がっていたにもかかわらず、会場であるマリエン広場、オデオン広場は多くの人で賑わっていた。最高気温が12度と過ごしやすい一日だったのも散歩しやすい条件の一つだったかも知れない(最低気温は8度)。
僕はバイエルン総理府の一般公開(それに関する日記はこちら。別ウィンドウで開きます。)を訪れた後、創設祭が行われている街の中心部に向かった。幾つも立ち並ぶお店を覗きながら回ったが、特に印象に残ったのは、オデオン広場で開かれている「手工業職人の村」と題された一角である。ここでは色々な分野の職人が実際にその作業をする。普段あまり目にする機会がないものを見られるとあって、幾つかの小屋では人集りが出来ていた。中には非常に熱心に職人の手さばきを見ている少年の姿があったり、何か伝統が受け継がれていく、その過程を目にしたような気にさせられた。
この創設祭に関して、僕自身も既にこのサイトで紹介している(それぞれ別ページで開きます。古い順から「ミュンヘン市創設記念祭」「中世の味」「市の誕生日」「光の旅」「市創設祭とバウムクーヘン」)が、ここ数年を振り返ってみると、創設祭の内容は大きく変わることなく、毎年同じようなことが行われている。お店も前年とほぼ同じ場所に、今年もそれが見られたり、極端に言えば何も目新しいものがないようにも見える。しかし言い換えれば、毎年同じことを途切れさせずに続けていく、それこそが一番大切なことかも知れない。
皇帝フリードリヒ・バルバロッサが記した文書にある、「1158年6月14日ムニヘン(ミュンヘンのこと)」という記述で初めてミュンヘンが確認された。そして長年に渡る研究の結果、1857年、公式に「1158年6月14日」がミュンヘン市の創設日と定められた。それ以来、創設祭は毎年行われていると言うこと。その受け継がれてきた伝統を更に未来に伝えるのと同時に、その原点を思い起こすことも重要だと思われる。そこからミュンヘンの「らしさ」が生まれてくるだろう。
以下の写真は全て2005年6月11日(土)に撮影したもの。
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